http://www.houko.com/00/01/H07/039.HTM

東京と違って、シンガポール、台北には電信柱が殆ど無い。「電線地中化率」では東京は、ネトウヨさんが嫌いなソウルにも、負けている。また、中国でも、地方の観光都市では集客のために、電線の埋設を積極的に行なっており、現在、急速にインフラ整備が進んでいる。したがって、この点では、日本は間違いなく世界ワースト・ワンなのである。つまり「脱亜入欧」でも日本は他のアジア諸国に、今や先を越された格好である。
私は、日本の電線地中化が遅れた原因が、日本の行政と電力会社が「結託」した「サボタージュ」にあることを明らかにした。それについては以下のエントリーをご覧いただきたい。
<最後の公共事業>
http://takashichan.seesaa.net/article/130056234.html
<最後の公共事業2>
http://takashichan.seesaa.net/article/131725291.html
<最後の公共事業3>
http://takashichan.seesaa.net/article/138362041.html
私がこれらの文章を書いた時点では、賛同者は殆どいない状態だったが、最近ではインターネット上で検索すると「電線地中化」に関するブログや記事が、結構見られるようになった。また、ごく少数ではあるが、日本の都市景観が、日本人の精神衛生に悪い影響を及ぼしているという、私と同じ説を述べておられる方もいらっしゃる。
なお、私の尊敬する本多勝一氏は、他にも日本の悪い点として、公共の場での「騒音」を挙げている。例えば温泉地でのラウドスピーカーによる演歌の轟音。都会の街を歩いていると聞こえてくる宣伝放送「あれを買え、これを食え」のアナウンスの洪水。無意味な音楽。たしかにそのとおりである。電信柱と同様、これらが不快なものであることに、私も異論はない。中島義道氏も、その著書「醜い日本の私」のなかで、同様の指摘をされている。この点、本多勝一氏は、特に手厳しく、電車や地下鉄の車内や駅のアナウンスもうるさいとして「全て無くすべき」だと糾弾する。「ドアの開け閉めに注意しろ」だの「忘れ物をするな」だのの「おせっかい」も「不必要」だと言う。さらに「次に停まる駅の名前」や「乗り換え案内」までも必要ないと言い切る。
しかしである。ここまで来ると私は「そうかな?」と思ってしまうのだ。確かに「あれを買え」のたぐいのアナウンスはうるさいし「足元にお気をつけ下さい」は、無いほうがいいと思う。更に「前の方に続いてお乗りください」というアナウンスにいたっては「日本語の意味」すら分からない。「後ろの方に続いて」乗るバカがこの世の中にいるだろうか?全員が「後ろの方」に続いていたならば、何時まで経っても一人も電車に乗れないではないか(笑)。
さて、冗談はこれくらいにして、しかし「次に停まる駅」や「乗り換え案内」だけはあっても良いのではないかと思う。私などは会社勤めをしていた頃、よく文庫本に夢中になり、駅を乗り過ごしてしまうことがあった。朝の通勤時、二駅ぐらい戻ることがしょっちゅうあったものである。尤も、アナウンスを聞き逃していたから乗り過ごしたのであって、ならばそれはアナウンスが「無意味」であることの「証左」ではないか?と言われれば、返す言葉も無いのだが(笑)。
<参考サイト>
All About 電柱や電線が 「ある街」 の資産価値(不動産コンサルタント・平野 雅之氏)
http://allabout.co.jp/gm/gc/25685/
All About 電柱、電線(不動産コンサルタント・平野 雅之氏)
http://allabout.co.jp/gm/gc/393763/
日本と韓国の電線類地中化率比較(ツイてる!社長氏)
http://blog.livedoor.jp/drj1966/archives/51821869.html
美しい国 日本の景観(てる爺氏)
http://www.biwa.ne.jp/~tam/sansaku/report/25%20keikan/keikan.html
地下鉄「三越前」駅の改札を出ると、日本橋三越の地下菓子売り場へ通ずる「出口」がある。その横に「共同溝」を観察できる「窓」が設置されているのをご存知だろうか?ご覧になったことがない方は、今度是非見てみて欲しい。大変に立派なもので、日本人は、このような物を作るのが実に上手い、ということがよく分かる。また、穴を掘り進めながらコンクリートで固めていく「シールド工法」にかけては、日本の技術は世界一だと言われている。しかるに、何故それらの技術を国内で、大都市で、住民のために活用しなかったのだろう?何故日本には「共同溝」が「殆ど」無いのだろう?世界の七不思議に入れたいくらいだ。
以前にもお話したが、電線を地下に埋め込む「CCボックス」という技術も、世界一だという。なのに何故、日本の国土にはこれほど「電信柱」が林立し、電線が空を駆け巡っているのか?何故、これほど「汚い景観」の中で、我々は住まわされているのか?何故年がら年中、ムダな税金を使って地べたを掘り返し続けているのか?それは、日本の為政者と電力会社が義務を果たさず、サボタージュを続けてきたためだと、私は指摘し続けてきた。この共同溝(電線共同溝)こそが「最後の公共事業」だと、私は言い続けてきた。都市景観を改善するとともに、多くの「雇用」を創出する、素晴らしい公共事業だと、私は言い続けてきた。しかるに日本政府は、ムダな公共事業「要らない道路」「要らない空港」「要らない橋」「要らない港」そして無数の「要らないハコモノ」そして、大惨事を惹き起こした「原発」ばかりを造り続けてきた。
はっきり言うが、これは世界に冠たる「恥」以外の何物でもない。東京は、都市景観の悪さでは、アジア一と言って過言ではないだろう。例えばネトウヨの諸君は、アジアの国々を馬鹿にするのではなく、彼らに「追いつく」ことも目指してみては如何なものであろうか?
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