2014年05月03日

「反共」ということ


世の中には「反共」が多い。「反共」のうちにも程度があって、大きく内訳は次のようなことになるのではないかと思う。

1.右翼的確信的反共主義者
2.消極的反共主義者

私が今回問題にしたいのは2.の方である。彼ら(消極的反共主義者)の矛盾のひとつとして、こういうことが挙げられる。それは「共産党にばかり潔癖を求める」というものだ。他の政党の場合には「パス」してしまうくせに、共産党についてのみモノゴトを「あげつらう」傾向である。他党がどれほど「悪い過去を持ち」「言うことをコロコロ翻し」「現在も悪どい政策を掲げて」いるのにもかかわらず、ほとんど追求することはない。あるいは追求することはするが、そのくせ、それより数段マトモな共産党の「立ち居振る舞い」をことさら「無視」したり、逆に些細なことを「あげつらう」という傾向である。よーく胸に手を当てれば誰しもが思い当たるはずである。

その原因は、私にも説明はできない。これはもう、戦前から綿々と受け継がれている「反共」思想の「刷り込み」があるとしか説明の仕様のないものである。その「刷り込み」とは「共産党は怖い」という宣伝をしながら一方で、活動家を逮捕し、拷問して殺す。このような戦前の特高警察の弾圧・宣伝である。実は「共産党が怖い」のではなく「共産党であること」を理由にして加えられる「弾圧」が怖い、というのが本来の理屈なのだが、それにもかかわらず、そのことをふっ飛ばして直接「共産党が怖い」と思わせてしまう「刷り込み」である。この伝統は、戦後の「公安警察」にも忠実に継承されている。共産党であれば、アパートのビラ配りであっても「住居不法侵入」で「逮捕」されてしまう。ああ、やっぱり「共産党は怖い」と、こうなるわけだ。

共産党を「あげつらう」傾向というものは、すべてここからくるものではないか、と私などは思うのである。一つ例を上げてみよう。日本共産党は1950年台に「ソ連盲従分子」に乗っ取られそうになった時期がある。党内が分裂し、その一方が「アメリカの核は良くないが、ソ連の核はよろしい」的なことを言った、という経緯があるらしい。尤も詳しいことは私は分からない。依然として「デマ」である可能性も有り得る。しかし、当時その一方で「核そのもの」を好ましくないという勢力も、党内に同時に存在したのである。ところが、彼ら(消極的反共主義者)はこのことを必要以上に「振りかざす」のである。「共産党にばかり潔癖を求める」とは、例えば以上のようなことだ。

これをあげつらう「反原発活動家」が実に多い。あるいは、私が契約し、愛聴し、常日頃尊敬しているインターネットTVの経営者にしてもそうだ。
関連スレッド

<日本共産党は「原発廃止」を綱領に明記すべき>

さて、その後共産党は、分裂を克服し、自己批判した上で路線を「自主独立」とし、現在の「綱領」を定めたのだが、そのことを言うものは少ない。そもそも共産党の「綱領」など読んでもいない者が、そういったことを「あげつらう」傾向があるのだ。第一、共産党ほど明確に「綱領」を掲げ、それに依って立っている政党は、この日本には存在しない。ここで説明する余裕ないが「民主集中制」を「誤解」した上で「批判」する者もいる。そういった人たちは、右翼の共産党批判を聞き齧り、それを真に受けている人達が多い。何でもかんでも「反共の種」にするわけだ。そのくせ、共産党の「良い面」は誰も言わない、とまでは言わないがほとんど言わない。言った場合は通常電波なり回線からは削除されるか「無視」される(インターネットの発達により状況は多少変わってきているとは思うが)。

こうして見ると「消極的反共主義者」とは、つまり「共産党を知らない」層だということが言えるのではないかと思う。共産党は「知れば反共で無くなる」政党だと、私は思うのである。




posted by takashi at 12:20 | Comment(8) | TrackBack(0) | 時事、政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
世界大戦よりソ連や中国の共産主義独裁政権の粛清や失政による死者の方が多いのだが。
思想ごっこもいい加減にしたら。
Posted by たま at 2014年08月17日 15:28
「共産党が怖い」(一般的には多分「共産主義」が怖い」だと思うが…なので,勝手ながら以下「共産主義が怖い」とさせていただきます。)が,国家権力のせいですか…相変わらず何でもかんでも「国家権力」のせいにするんですねぇ…
「共産主義が怖い」というイメージは,連合赤軍他一部の武闘派のお馬鹿さん達が仲間をリンチしたり,なんの罪も無い一般の人を人質にして山荘に立て籠もったり,飛行機をハイジャックしたり等々凶悪な事件を引き起こしたから,とは考えないんですか?
もちろん,彼らが共産主義者の全てというわけではありませんけど,これだけ凶悪な事件を引き起こしてたら,やっぱり「共産主義者は怖い」っていうイメージを持たれても仕方ないんじゃないの?
よもや,彼らがこういう凶悪な事件を引き起こしたのも国家権力のせいだとかいうんじゃないでしょうね?
Posted by Mr.K at 2014年08月21日 00:41
>「消極的反共主義者」とは、つまり「共産党を知らない」層だということが言えるのではないかと思う。
>共産党は「知れば反共で無くなる」政党だと、私は思うのである。

ごもっとも!かも知れませんが、知ろうにも何も、もう虫の息の高齢者政党ですね。そんな(知らせる)エネルギー残っているかな。
それもそうだが、何でそうなったかを考えた方が良いでしょうね。
え?まだいたの共産党?ってのが現在の多くの国民の認識でしょう。
Posted by 山田の案山子 at 2014年08月30日 10:48
お初です。

>>コメントの方々

書いてある傍から消極的反共主義を発揮しないで下さいw

>旧ソ連と中国
日本共産党はこの2ヶ国の問題点を昔から批判しています。
ソースはウェブ版赤旗にもyou tubeにもあります。
因みに中国は現在資本主義です。

>赤軍事件の数々
書いてある通り共産党は昔分裂し、穏健派が過激派を追い出す形で現在に至っています。
過激派にも派閥があります。
その過激派の中でも暴力的な派に影響を受けたのが赤軍であり、ご存知の通り数々の事件を起こしました。
(その影響で共産党は現在も公安のマーク対象です)
ですから事件を起こしたのは共産党ではなく、ましてや日本共産党=革マル、等といった認識は全くもって誤認なのです。
例えばイスラム教が全て過激派ではないのと同じ事であり、共産系=危険、とするのはやはり偏見です。

90年以上の歴史を持つ政党(政党として認められたのは1945年)なので知るのは大変そうに思えますが、昔から一貫している部分が殆どで、基礎がハッキリしているので分かり易いですよ。
Posted by 吉田藤吉 at 2014年09月03日 00:43
え?まだいたの山田の案山子?ってのが現在の多くのたかしズム読者の認識でしょう。
Posted by あるふぁ at 2014年09月06日 09:55
吉田藤吉様
>ですから事件を起こしたのは共産党ではなく

えぇ,ですから私も「共産党が事件を引き起こした」,とは一言も書いていませんし,「彼らが共産主義者の全てではないけど」とも書いてますよね?
わたしはただ,共産党が怖いというイメージは国家権力のせい,というような事が書かれていたので、それはちょっと違うんじゃないの?と言いたかっただけなんですが…
実際,戦時中を描いたドラマなどを見たら,共産党が怖いというより,特高の方が怖いというイメージを持つ人が殆どじゃないかなぁ,とも思うし…まぁ,そう思うのは私がネトウヨだからかもしれませんけど…
Posted by Mr.K at 2014年09月08日 00:45
>え?まだいたの山田の案山子?ってのが現在の多くのたかしズム読者の認識でしょう。

そんな事は、どーでも良いでしょ。
もっと現実を見なさいよ!って言う事。笑
多くのたかしズム読者・・・? ぷっ!
Posted by 山田の案山子 at 2014年09月11日 09:13
本物はどれでしょう?

@ぶさよでぃっく犯罪者予備軍とそーかな仲間達の山田の案山子
Amakoto=他力本願のお友達の山田の案山子
Bshinystar応援団の山田の案山子
Cネトウヨのアイドル山田の案山子
D私も今回をもってたかしズムへの参加は最後と致します。
(省略)
では、サヨウナラ。

Posted by 山田の案山子 at 2010年04月01日 11:15
と言いながら恥ずかしげも無く書き込む山田の案山子

書き込むのなら撤回してから書き込めばウソツキさん。
Posted by あるふぁ at 2014年09月13日 09:35
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