2013年12月23日

防空識別圏



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中国の「防空識別圏」設定の撤回求める 日本共産党が見解(しんぶん赤旗)

    
 日本共産党の市田忠義書記局長は9日の記者会見で、中国政府が11月23日に設定した「防空識別圏」について、次の見解を発表しました。

 中国政府は11月23日、日本の領土・領海を含む東シナ海の広い空域に「防空識別圏」を設定し、日中間や北東アジアの緊張の高まりが強く憂慮される事態となっている。中国の今回の措置には、二つの重大な問題がある。

(1)
 第一の問題点は、今回の措置が、日本の実効支配下にある尖閣諸島を中国の「防空識別圏」に包含していることである。

 中国政府の声明は、尖閣諸島を中国領のように扱い、その上空を含む広い空域にたいし「防空識別圏」を設定している。これは、国際慣行上、絶対に許されない不当な行為である。

(2)
 第二の問題点は、今回の措置が公海上の広い空域をあたかも自国の「領空」のように扱っていることである。

 中国国防省が同日発表した「公告」は、中国領空に入ろうとする航空機だけでなく、公海上の広い空域を占める「防空識別圏」を通過するすべての航空機にたいしてまで、飛行計画を提出し、無線交信を保つことなどを「かならず遵守」すべきものとして義務づけ、指令に従わない航空機にたいして「中国軍が防御的緊急措置をとる」ことを声明している。

 防空識別圏は、領空に接近してくる航空機を識別して、不審機が領空に入ることを防ぐためのものとされるが、中国が今回設置した「防空識別圏」は、領空への不法な侵入を防止するという措置を超えて、公海上空の広い範囲を、自国の排他的権限の及ぶ「領空」であるかのように扱うものであり、空の基本原則である「公海上空の飛行の自由」に反する。

 空に関しては、民間機・軍用機を問わず、国際民間航空条約や国連海洋法条約に明記された諸原則にもとづく「公海上空の飛行の自由」が国際法の一般原則として確立しており、世界の航空秩序の土台となっている。

 中国の「公告」は、世界の航空秩序の核心である「飛行の自由」を侵害するものである。

(3)
 今回の中国の措置は、領土・領空の「安全」や「飛行秩序」のためという中国が表明している設置目的とは正反対に、この地域の緊張を激化させ、航空の安全や秩序を脅かすものにしかならない。それは、東アジアの平和と友好関係をめざす努力とは相いれない。

 日本共産党は中国政府にたいし、今回のような「防空識別圏」設定の撤回を求める。
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このように、他のどの政党あるいはメディアよりも強い口調で中国政府を非難している。

一方で軍事評論家の田岡俊次氏は次のように論評している。
http://diamond.jp/articles/-/45509

<要旨>

■日本でも、多分中国でも誤解している人が多いようだがADIZ(いわゆる防空識別圏)は本来領有権とは無関係だ。防空部隊がレーダーで空を見張る際に「この線からこちらに向かってくる航空機は注意して見ろ」という「目安」にすぎない。

■ADIZはあくまでも防空部隊の「目安」で、国際法上の根拠は全くないし、日本では国内法上の根拠もない。「1969年に防衛庁の内規である『訓令』で定めた」と言われるが、実はこれは自衛隊機のADIZ内での飛行要領を決めただけで、民間機、外国機に対するものではない。

■だが、中国が今回出したADIZ設定に伴う「航空情報」(NOTAM,Notice to Airmen)は日本のものとは大違いだ。中国領空に向かう航空機だけでなく、中国ADIZを通る全ての航空機に対し、飛行計画を通知し、ADIZ内では常に双方向の無線交信を保ち、トランスポンダー(レーダーに識別信号を送る装置)を働かせ、国籍・所属を明瞭に示す標識を付け、ADIZを管轄する機関(中国空軍)の指示に従うことを義務付け、「中国軍は識別に協力せず、あるいは指示に従わない航空機に対し、防衛的緊急措置を取る」としている。用語も日本はRequest(要請する)だが、中国はmust、should(しなければならない)と命令口調だ。

■中国が防空の目安としてADIZを設定すること自体は御自由で、中国のネット右翼、いや「左翼」と言うべきかもしれない(余談ながら習近平主席は、かつての貧しかったが平等な毛沢東時代を懐かしむ弱者に同情を示しつつ、現実の政策は資本主義的、として「左のウィンカーを出し右に曲がる」との評が中国内であると聞く。この冗談自体、今年2000万台もの車が売れる中国で車が普及したことの反映だろう)、右か左かはとにかく、「愛国者」達は「20ヵ国以上がADIZを設定し、日本は中国海岸から130kmのところまでを圏内とし、中国機の行動を監視、威嚇する。我が国が設定しないのは弱腰だ」と騒ぐ。それにも一理はあるか、と苦笑するが、布告の内容、文面がよろしくないし、やり方が唐突だ。各国にも事前に打診し、日本と同様に自国領空に向かう航空機に対してだけ「識別への協力を要望する」としておけば、日本だけでなく、米国、韓国、オーストラリア、はてはEUなどからも非難を招くことは避けられただろう。自分もやっていることを批判はしにくいからだ。

このように「防空識別圏の設定」それ自体には何も問題はないし、文句をつける筋合いのものではない。が、ただ、中国の発表の仕方が問題だったと、田岡氏は言っているわけだ。さらに問題なのは日本政府の対応だ。、アメリカ頼みで中国に強いことを言ってみたものの、そのあとアメリカは中国に折れ、その結果「二階でハシゴを外された」形だという。

■だが米国国務省は一方で中国ADIZを非難しつつ、他方で米国の3大航空会社が中国の要求に応じ、ADIZ通過の際に飛行計画をネットで提出することを了承した。日本政府は航空会社が飛行計画を中国に出すことにしたのを批判してやめさせたが、米国の動きは逆で、日本政府は2階に上ってハシゴを外された格好だ。米国の対中姿勢はブレが激しく、二枚舌に類するような言動もある。同盟国や国内タカ派向けには中国に対して強腰なアメリカを演出し、中国に対してはできるだけ取り入って輸出の拡大、米国への投資・融資の継続を目指すから、ちぐはぐになりがちだ。特に航空機は米国の最有力の輸出品目の一つで、中国は今年1月〜9月で大小の航空機543機を米、欧などから輸入、実に前年比で49.6%増だ。米国は中国の旅客機需要は2030年までに3800機、4000億ドル(約40兆円)と見ており、ボーイング社はフランスのエアバス社とのシェア争いに必死だ。それだけに中国の航空界とは官民を問わず対立を避けたいだろう。また民間航空は安全第一だから、外国政府の出すNOTAM(航空情報)には、その当否は問わず一応従って置くのが原則で、米国務省もそれを認めざるをえなかっただろう。また中国に向かうか、領空を通ろうとする航空機が飛行計画を通知するのは当然で、それを止めることはできない。

日本共産党も、慌てて見解を出すのではなく、もう少し「防空識別圏」を勉強してからの方が良かったのではないか?



posted by takashi at 10:40 | Comment(4) | TrackBack(0) | 時事、政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ネトウヨから誹謗中傷されない秘訣はこれなんですね。

ネトウヨ業界の七不思議の一つに、日本共産党の幹部が朝鮮人認定されないということがあると私は思っています。

民主党や社民党の議員は殆ど全てと言う感じで朝鮮人だとネトウヨに認定されているのに、共産党の幹部が朝鮮人認定されたと言う話は聞いたことがないし、ネトウヨは本当に不思議なほどに共産党批判はやりません。

共産党ですから反米は当然の事ですが、中国や韓国、北朝鮮、ロシア(以前ならばソビエト)に対しても、よく言えば手厳しい、別の視点から見れば日本共産党だけが正しいといった感覚で批判しますから、日本だけが正しいとする気分がネトウヨとっては、どこかに親近感を覚えるものがあるのではないでしょうか。
Posted by 伊藤浩士 at 2013年12月23日 21:20
>ネトウヨ業界の七不思議の一つに、日本共産党の幹部が朝鮮人認定されないということがあると私は思っています。

なるほど。確かに「悪態」はついても、いわゆる「在日認定」というのはついぞ聞いたことがありませんね。志位委員長の本名が李和夫だとか、市田書記局長が朴忠義だとかいうハナシは聞きません。面白いもんです(笑)。
Posted by たかし at 2013年12月23日 22:00
日共は自民党の補完部隊。要するに
第3自民党である。詳しくはリチャードコシミズ氏
のブログを見ると良い。
Posted by 右も左も無い at 2013年12月28日 03:05
リチャードコシミズは妄言を吐くアホじゃねーの。
あのブログで「真実?」に目覚めるのはお馬鹿さんばかりだね。
Posted by あるふぁ at 2013年12月28日 11:12
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