2013年11月19日

アンチレイシストの「カリスマ」野間易通氏の功罪


私は以前<「どっちもどっち論」の皆様へ>というエントリーで「しばき隊」を擁護した記事を書いたことがあります。「在特会」と「レイシストしばき隊」・「プラカード隊」を指して「どっちもどっち」とおっしゃる方々を批判して書いたものでした。
http://takashichan.seesaa.net/article/357639647.html
その「しばき隊」の野間氏から先日、次のようなツィートをいただきました。

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野間易通 ?@kdxn 20時間
ヨーゲンのツイートとか読む意味ないからブロックしてるのに、わざわざ送ってこなくていいですよ。つか、ヨーゲンみたいなどこからどう見てもダメなものをいじるのは馬鹿でもできることで、他人に見せるようなものじゃないでしょう。あなたのやってることはヘイトの拡散。@takashicyan
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私のやっていること、すなわちヨーゲン(@Yougen_Sato)をブログやツィッターで徹底的におちょくり倒すこと、これは野間氏に言わせると「ヘイトの拡散」なのだそうであります。何が彼の機嫌を損ねたのでしょう?突然「グロ画像」を送りつけた私にも、責任は当然あります。今後は気をつけたいと思います。尤も、今回私は野間さんにブロックされてしまいましたが(笑)。
https://twitter.com/takashicyan/status/402276805903519744/photo/1

野間氏には、私のブログに掲げた「目的」を理解していただきたいと思います。しかし、彼がもうやって来ることは無いのでありましょう。私はよく、ヨーゲンに批判的なツィートをなさる方々を、ヨーゲンのタイムラインから見つけては、情報として、ヨーゲンの過去の言動を取り上げたブログ記事をメンションでお知らせしたりしているわけです。それには、ヨーゲンのみならず、ネトウヨと対峙するにはこういうスタンスが一番効果的ですよ、ということを知っていただく目的があります。大方の人は喜んでいただいておりますが、中には気に入らない方(いわゆる「大きなお世話ということでしょう)もいらっしゃいます。野間氏もその中のお一人でした。

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野間易通 ?@kdxn 20時間
スパムだね、これ→@takashicyan
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ということで、私をスパムとしてブロックなさったらしいです(笑)。

アンチレイシストの人々の中で、今や「カリスマ」となられた観のある野間易通氏ではありますが、彼にはひとつの性癖があるようです。それは「左翼嫌い」ということです。彼がどういう経過をたどってそこに至ったかは定かではありませんが、反原発・反レイシストの運動の中で「自称左翼」の人たちから中傷を受けたりしたことが、主な原因のようです。その辺のことについては<「どっちもどっち論」の皆様へ>のコメント欄で、ご自分で述べておられるので、興味のある方はご覧ください。ことの経過を語る彼の文章なりツィートからは、並々ならぬ「怒り」が読み取れます。それは無理もないと思います。

その結果、彼はいわゆる「左翼的なもの全般」に懐疑的になってしまっているフシがあるのです。例えば「労働組合」なども、彼にとっては「左翼」であるから「共闘」には値しない、ということになる。新宿のデモにおける「しばき隊男組」による「フリーター労組」の排除は、私とって残念な出来事でありました。主催者に断りもなく労組側がトラメガを使って「情宣」を始めたのが、ことの原因のようでした。双方言い分はあるのは分かります。しかし「男組」は、もうすこし「紳士的な」対応は出来なかったものか?レイシストに使うような言葉を、同じ運動に携わる仲間に浴びせても良いのか、とあのYouTube映像を見て感じた人も少なくないことでしょう。何より残念なのは、これが「どっちもどっち論」をふりまわす連中を、正当化させかねない行為だと思うからです。さらに、反原発運動にしても、反レイシスト運動にしても、分断をもたらすことにつながると思うのです。

今行なわれている、反原発・反レイシストデモが「市民運動」であり、従来の「組合中心」「組織動員型」ではないことは明らかです。そもそも、労働組合の組織率は、この日本では20パーセントを切っています。今や、50年安保の頃とはまったく違うのです。その上、中には労働組合それ自体が「原発推進」である場合すらあります。とは言え、依然として労組もこの運動には参加しています。今日において、市民が自発的に集まるヨーロッパ型のデモは、ある意味必然的だったと言えます。そして、その連帯は「緩い」というのが特徴かも知れません。お互いの「主義主張」をひとまず置いて、ひとつの目的で一致する、という「共闘」の思想です。そうであるならば、その連帯に分断を持ち込むことは、支配層を喜ばせこそすれ、運動のプラスになるとは思えません。以上、最近ちょっと思ったことでした。


posted by takashi at 12:05 | Comment(13) | TrackBack(0) | その他雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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たかし ?@takashicyan 10分
野間易通 @kdxn 氏は、従軍慰安婦や、過去の日本の朝鮮支配については、どういう見解なのでしょう?書いたのを見たこと無いような気がするけど。今度出した本にでも、書いてあるのかな?

野間易通 ?@kdxn 8分
チャンネル桜の村田春樹と全く同じことを言い出すネット左翼。RT @takashicyan: 野間易通 @kdxn 氏は、従軍慰安婦や、過去の日本の朝鮮支配については、どういう見解なのでしょう?書いたのを見たこと無いような気がするけど。今度出した本にでも、書いてあるのかな?

たかし ?@takashicyan 6分
で?見解は?RT @kdxn チャンネル桜の村田春樹と全く同じことを言い出すネット左翼。

野間易通 ?@kdxn 5分
たかしは馬鹿。RT @takashicyan: で?見解は?RT @kdxn チャンネル桜の村田春樹と全く同じことを言い出すネット左翼。

たかし ?@takashicyan 2分
ところであなた、私をブロックしたんじゃあなかったでしたっけ(笑)?
RT @kdxn たかしは馬鹿。
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何でこんな「自爆ツィート」するんでしょうね(笑)。
Posted by たかし at 2013年11月19日 23:34
このエントリーを載せた途端、私のツィッターでの在日朝鮮人フォロワーが、何人か去って行きました。予想していたことではありますが、寂しいことだと思います。違った意見を受け入れない。「カリスマ」の言うことは絶対、とでも思っているのかもしれません。このような「カリスマ信仰」が、反レイシスト運動にとって、
命取りにならなければ良いがと思います。野間氏は、確かに今の時点での反レイシスト運動を引っ張っているお一人だと思います。在日朝鮮人の、いわゆる「在日特権」の不当な攻撃に、真っ向から立ち向かっておられる。そのことが、在日の方々のシンパシーを相当得ていると思います。悪いことではありません。

しかし、その一方で、彼は過去における日本国政府の、例えば従軍慰安婦問題、強制連行問題への対応、そしてそれらへの補償の問題、それどころか前世紀の前半に我が国が行なった「朝鮮支配」そのものに関しては、口を噤んだままなんですね。彼はただひたすら「在特会」を敵としています。日本政府の責任を追求するという発想は、今のところ極めて希薄であるように見受けられるのです。ひょっとして、私の知らないところで発言なさっているのかも知れませんが、少なくともウェブ上では発見できませんでした。どなたか、野間氏が慰安婦補償問題を論じているソースを、お教え願えないでしょうか。もしあったら、私は謝罪するのにやぶさかではありません。彼の左翼一般に対する「敵視」の問題は、エントリーで書きましたので、もう触れることはいたしませんが。
Posted by たかし at 2013年11月23日 12:17
野間さんの本を拙ブログで宣伝したばかりだけど、私はたかしさん支持します。
カウンター活動している右翼のYさんが「従軍慰安婦は捏造」と言ってたことは知っていますが、伝聞情報です。
差別発言ははっきり否定した野間さんが、従軍慰安婦問題に関する認識は答えないというのは、おかしいですね。
やはりYさんと同じような歴史認識を持っていると疑われても仕方ない状況です。
Posted by Q太郎 at 2013年12月02日 15:17
野間氏はアンチレイシズムの活動をしている私の周辺の人には評判悪いですし、全然、カリスマではないです。
カウンター活動に一定の効果(お散歩の阻止)が出ているので、その部分だけ評価されてるのではないでしょうか?
考え方は合わないけれど、利用するつもりなだけの人もいると聞きます。カウンターも人数が増えました。野間さんだけに頼る必要はないです。

従軍慰安婦問題ですが、私は歴史修正主義は差別に繋がると思っています。野間さんが歴史認識を明らかにしないのは、私のような考えの人が離れていってしまうからではないでしょうか?

Posted by Q太郎 at 2013年12月02日 15:39
Q太郎さん、はじめまして。

Q太郎さんがおっしゃるように野間さんは、現政権がやっている「歴史修正主義」が「差別に繋がっている」ことに気づいていないのではないのではないでしょうか。つまり「在特会」そのものではなく、本当の敵はその「後ろ」にいるということを理解していないか、理解したくないのだと思います。その理由は分かりませんが。

フリーター労組の園良太氏は、その辺を分かっているのですね。アンチレイシズム闘争が「階級闘争」であることが、彼には分かっている。何故か、野間氏はそこが気に入らない。

誤解してほしくないのは、私が野間さんの活動を全否定している訳でない、ということです。この段階までの彼の業績は評価されて然るべきだと思います。ただ、今のままでは「反レイシズム」「反原発」両方共、周りが彼に対して拒否反応を示すようなことになるのではないかと、心配しています。

私のような「弱小ブロガー」など、彼にとっては何を書かれようが痛くも痒くも無いのでしょうし、現在はツィッターでもブロックされているようですので、わたしの真意は伝わらないと思います。が、どんなに「良い本」を書いたとしても、運動そのものに「分裂」をもたらすのであれば「罪」があると思います。在日の方々の間でさえ、彼の評価は変わりつつあります。もちろん未だに熱狂的なファンは多いわけですが。今日は金明秀氏がこんなツィートをしていました。

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野間氏に対しては腹が立つこともたくさんあるけれども、それとは別に、事態を動かした堅実な実績が多数あることは否定しようのない事実。評価しているかといわれれば客観的にいって好意的に評価せざるをえまい。少なくとも、ネトウヨと一緒になって粘着を続けている人たちに比べればはるかに好印象だ。
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野間氏に対するスタンスは私とちょっと似ているかな、と思いました。

さて最近、野間氏はいわゆる「街宣」から「ネット」に、その軸足を移されたようなことを言っておられます。どういう心境の変化なのかなと、注目しているところです。
Posted by たかし at 2013年12月02日 23:05
たかしさん、ご返信ありがとうございます。ご挨拶遅れ失礼しました。初めてまして、どうぞよろしくお願いいたします。

私が伝えたかったことは、野間氏自身が歴史修正主義者ではないか?という疑問です(現政権はもちろん歴史修正主義ですが)。同じしばき隊の山口祐二郎さんの著書「奴らを通すな!」には山口さんが歴史修正主義者と思えることが書かれていました。アンチレイシズムと矛盾する箇所がいくつも出てきます。野間氏は著書では歴史認識に関することを一切出していないところがかえって不自然でした。野間氏がもし歴史修正主義者であれば、ヘイトスピーチをなくす運動とはかけ離れたものになってしまいますし、野間氏自身がレイシストであり敵です。

私はレイシズムが歴史修正主義に繋がり、また歴史修正主義がレイシズムを量産すると考えています。だから歴史修正主義者だけど差別には反対という矛盾は受け入れられないです。
私はそれほど野間さんを信用していないし支持していないです。だからたかしさんとはスタンスが違うのかも知れませんね。

どちらにせよ、カウンター活動というのは一過性のもので限界があります。残念ですがヘイトスピーチが法規制されてるまでの一時しのぎに過ぎません。ヘイトを規制する法律がないうちは警察は恣意的に在特会でもカウンター側でも好きなように逮捕できてしまいます。私も「どっちもどっち論」には反対ですが、長く続ければ続けるほど、しばき隊(現C.R.A.C.)スタイルのカウンターは不利になっていきます。

たかしさんに私の考えを押し付けるつもりはないので、野間さんに対する評価も変えて頂く必要はありません。考え方の違いというより、お互い知ってる情報が違うので今は仕方ないかも知れません。
Posted by Q太郎 at 2013年12月03日 00:49
Q太郎さん、こちらこそ返信が遅れて恐縮です。

思えば野間氏と、初めてツィートで「接触」したのは、私のエントリー<在日朝鮮人について>を「アットマーク」付きで彼に送った時でした。
http://takashichan.seesaa.net/article/297357249.html

その時、何故か野間氏からは、私の説への「全否定」が返ってきました。彼によれば「在日朝鮮人問題」の「根源」は「天皇勅令第207号」ではなく「サンフランシスコ条約」なのだそうであります。ああ、それじゃあ「在日朝鮮人問題」は、日本のせいではなくアメリカのせいなのですね、それは好都合かも知れませんね。誰にとって?日本国とネトウヨにとってです。何故ならば、昭和天皇の「罪」少なくとも「人道的な罪」が、まったく無視されているからです。思えば野間氏の「正体」は、その時点で私にとって明らかだったのです。しかし、お人好しの私は、彼を擁護し続けてきました。浅はかでした。

今回私は、反論する気持ちも失せました。ああ、この人は歴史の分からない人なのだな、と。在日朝鮮人が「国籍」を失ったのは、紛れも無い「勅令第207号」がその「根源」だと、当の在日の有識者の間では常識になっているのですから。ご自分の本ではどのように書いているのでしょう?まだ読んではおりませんが。

彼が在日の、特に「若者」の間で人気があることについて、彼らの親の世代はどう思っているでしょうか?その辺のことに、野間氏は気付いたのかもしれません。そのことが彼に「路線変更」をさせたのではないでしょうか。

「野間氏自身が歴史修正主義者ではないか?」というQ太郎さんのご意見ですが、それは野間氏自身が「立証」するまでは、私としては何とも言えません。彼の「言説」を待たずに、そう断言することは、今の私には出来ませんね。
Posted by たかし at 2013年12月03日 01:02


>彼によれば「在日朝鮮人問題」の「根源」は「天皇勅令第207号」ではなく「サンフランシスコ条約」なのだそうであります。ああ、それじゃあ「在日朝鮮人問題」は、日本のせいではなくアメリカのせいなのですね、それは好都合かも知れませんね。誰にとって?日本国とネトウヨにとってです。

在日の日本国籍剥奪が「勅令第207号」(1947年)ではなく、「サンフランシスコ条約」(1952年)に起因するならば、アメリカのせいだけでなく大韓民国(1948年建国)のせいにもできますね。実際、そんな主張をしているネトウヨもいますし、非常に都合のいい論理になってしまいます。

>ご自分の本ではどのように書いているのでしょう?

野間氏の著書『「在日特権」の虚構』から引用します。
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この平和条約とは、サンフランシスコ平和条約(Treaty of Peace with Japan)を指す。1951年にサンフランシスコで署名され、翌52年に発効したこの条約によって日本はGHQの占領支配から独立し、国家主権を回復した。そしてこのとき、それまで日本国籍を有していた旧植民地地域(おもに朝鮮と台湾)の人々は国籍を喪失し、法的に外国人となったのである。終戦から7年後のことであった。(P74〜P75)

ところが日本においては、大日本帝国領内朝鮮および台湾の出身者で日本本土に在留するものは、国籍の選択権すら与えられずに一方的に外国人とされたのだった。もっとも、これらの措置には平和条約によって日本が旧植民地をすみやかに独立させなければいけないという事情があった。ただ、欧州各国が旧植民地の独立に際して無国籍者が生じないよう、旧植民地市民の法的地位を保護するさまざまな政策をとったことに対して、日本の場合は単に在日韓国・朝鮮人を日本国籍から離脱させるにとどまったのであり、これがのちのち尾を引くことになるのである。入管特例法ができたのは、終戦から46年も経た1991年のことだった。在日韓国・朝鮮人および台湾人の法的地位は、それまでの間さまざまに変遷し、少しずつ改善されていった。その背景には、朝鮮半島が分断国家となり、日本がその一方と国交を結びもう一方と国交がないことなど、あるいは同じく台湾と国交をもたないことなど、複雑な政治事情がある。(P76)
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この文章を読んで違和感がありました。「…事情があった」とか「複雑な政治事情がある」とか、なんでこんなエクスキューズが必要なのか不思議です。「日本だけが悪いんじゃないもん!」と言われているように感じます。第一、「旧植民地をすみやかに独立させなければいけないという事情」と“国籍選択権を与えなかったこと”は何の関係もありません。

ご参考までに、比較として同じ「在特会」批判がテーマの有田芳生さんの著書「ヘイトスピーチとたたかう!」を引用します。
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1945年に終戦を迎えたとき、日本国内には約230万人の在日朝鮮人がいました。多くは帰国しましたが、約64万人は日本に残ることを選びました。すでに築いた生活があるのですから、帰国せず日本に残る選択をする人たちがいたのは当然でしょう。
ところが1952年に、日本政府はこの人たちの国籍をはく奪します。かつては一方的に日本人になれといい、今度はまた一方的に、明日から日本人ではないと通告したのです。在日コリアンは突然「外国人」とされ、安定的な在留資格をもてないまま、長い期間を過ごすことになりました。(P27)
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"かつては一方的に日本人になれといい、今度はまた一方的に、明日から日本人ではないと通告したのです。”
こんな短い文章からでも、有田さんが歴史修正主義者ではないことが判断できます。

こちらも、ご参考までに、有田さんの歴史認識が分かる記述を他のページからも引用します。
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拉致問題で日本が被害者になったことが大きな転機となりました。それまで日本はアジアにおける加害者でした。中国などアジア諸国に対する侵略、朝鮮半島における植民地支配など、歴史に正面から立ち向かおうとしない日本は常に批判の対象でした。(P140)
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>彼の「言説」を待たずに、そう断言することは、今の私には出来ませんね。

私も断言はしません。たかしさんと同じように疑問を持ち、検証している段階です。反差別の運動家で歴史認識は避けて通れない問題です。彼には疑念を拭う責任があると思います。

Posted by Q太郎 at 2013年12月03日 23:26
Q太郎さん、

わざわざ有り難うございます。なるほど、野間氏が私に対してツィッターで言ったのと同じ主張ですね。何故か「勅令207号」はまったく無視されているようです。

>私も断言はしません。たかしさんと同じように疑問を持ち、検証している段階です。反差別の運動家で歴史認識は避けて通れない問題です。彼には疑念を拭う責任があると思います。

『在日特権」の虚構』。近々入院するので、ベッドで読む本のリストに入れてあるのですが、まだ買ってはいません(笑)。とりあえず「検証」は Q太郎さんにお願いしましょうか。ところで、「従軍慰安婦問題」については、野間氏はどのようなことを書いていますか?強制連行については、本の趣旨から当然触れなければならないことがらでしょうけど。
Posted by たかし at 2013年12月04日 07:37

>何故か「勅令207号」はまったく無視されているようです。

はい。「勅令207号」に関する記述は他にもありましたが、仰る通り野間氏は「在日問題の根源」とは考えていないようです。
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この「朝鮮」の記載は、1947年にGHQが発したポツダム勅令207号によって制定された外国人登録令によって始まった。(P77)

こうしたなか、GHQは「朝鮮人の引揚に関する総司令部民間教育局長発表」によって、「朝鮮人は正式に樹立された朝鮮政府が朝鮮国民として承認するまでの間、その日本国籍を保持する」との見解を示した。これも1946年のことである。ところが翌年の外国人登録令では在日朝鮮人は外国人とみなし、登録の対象となっている。このように日本政府およびGHQによる在日朝鮮人の扱いが支離滅裂なのは、東西冷戦の激化にともなうGHQの反共路線強化が原因だった。(P79)
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>ところで、「従軍慰安婦問題」については、野間氏はどのようなことを書いていますか?

この本の中では、従軍慰安婦問題については一切触れられていませんでした。

>強制連行については、本の趣旨から当然触れなければならないことがらでしょうけど。

強制連行については次のような記述がありました。
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それでも46年3月までに、約130万人が半島に帰還した。その多くは戦時徴用で日本にいたいわゆる強制連行者たちである。(P78)

ここで語られているのは「強制連行は嘘」論だ。こうした虚構をたてにとって在日は各種の「特権」を日本政府に無理矢理認めさせてきたのだ、というのが桜井の主張である。しかし本書で強制連行に対する非難を論拠に持ちだした箇所がいまのいまにいたるまでただの1か所もないことを見てわかるように、在日韓国・朝鮮人の権利獲得とその正当性の根拠となる「歴史的経緯」は、強制連行論とはなんの関係もない。「強制連行」が戦争責任の問題として大きくクローズアップされるようになったのは朴慶植の「朝鮮人強制連行の記録」(未來社)が出版された1965年以降だが、在日韓国・朝鮮人の残留資格については、日本政府は平和条約にサインした当初から「永住権立法を行うべく準備を進めていた」のである。1991年に特別永住資格が制定された「歴史的経緯」には、桜井の言う「虚構の歴史観」は一切影響を与えていない。桜井の歴史観こそが虚構なのだ。すなわち、「在日特権論」は巧妙な歴史修正のひとつであり、明白なデマゴギーなのである。桜井がよりどころにする「強制連行はなかった」論は、90年代後半に新しい歴史教科書をつくる会などが主導して巷間に歴史修正論の代表的なものだが、在特会の主張の多くもこれらを基盤に成り立っている。(P180〜P181)
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入院されると聞いて心配しています。ゆっくりお身体を休めてください。事情も分からず差し出がましいことを言って申し訳ございません。
Posted by Q太郎 at 2013年12月04日 17:29
すみません。先ほどの引用の中で「残留資格」と書いたのは「在留資格」の間違いです。訂正させて頂きます。

先ほどのコメントの続きですが、強制連行に関する歴史修正主義論は主に二通りあると思います。

@強制連行自体なかった論
A強制連行はあったが、徴用は当時日本人だった朝鮮人にも義務だった

野間氏の歴史認識は@ではないけれどAの可能性があります。
Aの特徴は強制連行を1944年9月からの国民徴用令による「徴用期」だけに狭く限定し、1939年9月からの「募集」、1942年2月からの「菅斡旋」は無視するというものです。歴史学者は「募集期から暴力や脅迫を伴う連行があった」としているのでAも定説に反する考え方です。
野間氏は今のところそこまで言ってないので、まだ判断はできませんが…

野間氏が言及を避けている従軍慰安婦問題は、民族差別も性差別も含む問題なのでレイシストをあぶり出す踏み絵だと思います。私が歴史修正主義がレイシズムの大もとだと考える理由は、相手が自分と同じ人間と思うなら被害者の声に耳を傾けようとするのが通常の感情で、心のどこかで見下す感情があるから「被害者と言われる人は嘘をついている」「被害を誇張している」という歴史修正主義に乗せられてしまうのだと思うからです。
Posted by Q太郎 at 2013年12月04日 19:01
ご無沙汰しております^ ^

一身上の都合でネットを離れておりましたが、このところようやく落ち着きつつあります。つきましては、この度、より良い未来として「表札」を変える決心を致しました。

これからもひとつ、どうぞよろしくお願い致します。
Posted by アニキ at 2014年05月28日 09:14
アニキさん、

「表札」を変えたとはツィッターのアイコンを変えたという意味でしょうか?それともブログのデザイン?これからもよろしくお願いいたします。

あ、今見たらブログが削除されてました!新装開店を楽しみにいたしております。
Posted by たかし at 2014年05月28日 16:57
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