2013年06月01日

彼我の「あまりの違い」日本とドイツ

さて、ここのところ日本国内は、橋下某の「慰安婦発言」で持ちきりであった。橋下は、あの「海外特派員会見」でダメージを受けてしばらく沈黙を余儀なくされていたが、それを振り払うがごとく、また同じ主張を繰り返し始めた。何故、奴が「復活」し始めたかというと、その原因は次の海外発ニュースである。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201305/2013052600172【ワシントンAFP=時事】

案の定、ツィッターで奴は、上記のニュースを頻繁に「引用」している。まさに奴にとって「願ったり叶ったり」、あたかも鬼の首を取ったように、得意げにツィートで「利用」しているのである。一体、何故この時期に、このようなニュースが報ぜられたのかについて疑問は残るが、橋下にとっては大きな「追い風」となっていることは間違いない。橋下は、当然のことながら、このニュースを以って「慰安婦制度は必要だった」ことを、あらためて吹聴している。

「慰安婦制度は世界中の軍隊にあった」は、大嘘である。第二次大戦時の中国軍には、蒋介石軍にも八路軍にもそのようなものは無かった。ベトナム戦争時の解放戦線にも北ベトナム軍にも無かった。あったのは侵略軍の中でも、日本軍だけである。「世界の侵略軍」たるアメリカ軍には「慰安婦制度」など無かったのだ。尤も、侵略軍の「宿命」として、一般市民婦女子への暴行があったのは、上記のニュースのとおりである。アメリカ軍には「侵略軍」としての「伝統」がある。彼らの「不道徳性」は「解放軍」として振舞った際にも、否応なしに「露呈」した。侵略国としての「宿命」だ。現在の沖縄を見るが良い。都内の基地の街を見るが良い。ベトナム戦争という侵略戦争で、韓国軍が犯したとされる「犯罪」も、その「侵略性」故であったのだ。もし、あのベトナム戦争に日本の「自衛隊」が参加していたらと思うと、私は背筋が寒くなる。

ベトナムに日本が関わらなくて「済んだ」のは、一にも二にも「日本国憲法」のおかげである。この日本の「宝」が無くなったら、日本は崖を転げ落ちるように「侵略」を始めるに違いないと、私は思っている。歴史は逆戻りし、必ず繰り返されるだろう。

さて、ここからが本題だ。ネトウヨは何かにつけて「日本は戦後補償を済ませている。それなのに特定アジアは、未だに日本に金をせびってくる」などと抜かす。これは実は「大嘘」である。実は、日本は「戦後補償」など一切行なっていない、と言っても過言でない。何故なら、アメリカによって免除されたからなのだ。言っておくがネトウヨが必ず持ち出す「ODA」なるものは「戦後補償」でもなんでもない。このことについては、近いうちに改めて書こうと思っているが、要するに「ODA」とは「現金保証」ではない。「役務」なのである。そして、それには必ず「見返り」がついて回る。また「環境破壊」「公害」「少数民族差別」等の、深刻な問題がついてまわる。ODAとは、やればやるほど「日本(の大企業)が儲かり、被援助国が疲弊する」制度なのだ。

それに対し、ドイツという国は地道に「戦後補償」を行ない続けてきた。それは現在でも続いている。また、折に触れてのドイツ指導者たちの「真摯な」(日本では誠に手垢にまみれた言葉であるが)謝罪を続けてきた。アジアの元慰安婦や被強制連行者が「我が祖国日本」に求めているのは、このドイツのような「対応」なのだ。

以下は、今日の「しんぶん赤旗」に載った記事である。日本とドイツ。未だに戦争責任を認めようとせず、橋下のようなキチガイを政治の場に送り出す日本と、ワイツゼッカーを始めとする「真に人道的な」指導者を選び続けているドイツ。この「彼我のあまりの違い」に、ため息が出るのは、私だけだろうか?

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ナチス大量虐殺からの生存者 ドイツが追加補償へ 医療・介護費増額/ゲットー居住者にも年金

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-01/2013060107_01_1.html
 ドイツ政府は来年2014年から17年にかけ、第2次世界大戦当時にナチス政権からホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の迫害を受け、現在も生存しているユダヤ人に新たに7億7200万ユーロ(約1011億円)の補償金追加支払いをすることを決めました。ドイツ各メディアが30日に伝えました。(片岡正明)
 ドイツは1952年、ナチス政権のユダヤ人被害者に対する補償を取り決めたルクセンブルク条約に調印。その後、定期的に被害者団体と補償の対象者拡大や金額増について協議を行ってきました。
 同条約調印後もシンティ・ロマ(ジプシー)への迫害、不妊手術、強制労働などナチスによる新たな人権侵害が次々と明らかになり、独政府は被害者との間で協議を続け、補償を拡大してきました。被害への補償協議を続けるというのが政府の基本方針となっています。
 今回の追加補償は、旧ソ連・東欧に住み、政治的混乱などが原因で補償を受けられなかった人たちへの補償拡大(昨年11月)に続くもの。独政府とユダヤ人被害者を代表する対独ユダヤ人請求権会議が合意しました。
 具体的には、ホロコースト生存者の老齢化に伴い、生活費、医療費、介護費などが増額され、多くは年金として支払われます。対象になるのは世界46カ国に住む5万6000人。

 今回の合意では、強制収容所で被害を受けた人だけでなく、出入りがある程度自由とされたユダヤ人ゲットー(東欧諸国でナチスに強制されたユダヤ人居住区)で生活した約3000人が新たに独政府から年金を受け取ることが盛り込まれました。(【しんぶん赤旗】2013.06.01)
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参考スレッド
<「村山談話」と「荒れ野の40年」>
http://takashichan.seesaa.net/article/109003556.html

 
 
posted by takashi at 22:05 | Comment(6) | TrackBack(0) | 時事、政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
選挙制度はじめドイツには見習いたい点は多々ありますね。
日本に暮らす人は平和ぼけしてますよ、平和や自由、生きるための権利が降って沸いてくると思ってるのか掘り下げて知ろうともしない人が多すぎます。
最近、思うのですが政治家や政党が悪いのでは無く、私も含め有権者に非があるような気がします。
Posted by 反体制 at 2013年06月02日 10:08
最近、「日本は、ドイツとは比較にならないほどの戦後補償を中韓に対して行ってきた。」というネトウヨをコメントを見かけました。
ネトウヨと言えば、「韓国は、自分の国を自分達では統治できないので、日本に統治してくれと、泣きついた。」だの、次から次へと、ロクでもないデマを創作していますが、怖いのは、田村麻呂くんのように、ネットで遊ぶ子どもがクズデマを鵜呑みにして、無自覚にネトウヨ化していくことなんですね。学校教育でも是正されなくなっているとすると、たかしズムのようなサイトが唯一の希望、ということになりますね。
Posted by やまだ at 2013年06月02日 20:41
反体制さん、

「平和ぼけ」という言葉の使い方が、私にはいまいち分からないのですが、どういう意味でお使いですか?

やまださん、

>たかしズムのようなサイトが唯一の希望

「たかしズム」のようなマイナーブログに、そんな力のあろうはずはありません。きっこのブログや、植草一秀氏のブログあたりが取り上げない限りダメですね(笑)。
Posted by たかし at 2013年06月02日 21:01
平和ぼけしとんな!!隣の国が攻めてきたらどうする?だから武装するのだ…って方がいらっしゃいます。
平和が当たり前すぎてみんな無関心すぎるよってゆう意味では同じかも知れませんが、無関心で国の策略で気がつけば赤紙がきて戦場にいた。なんて事にならないように関心待とうよって意味かなぁー?
説明が下手ですんません。
Posted by 反体制 at 2013年06月03日 01:56
反体制さん、

「平和ボケ」というのは、果たして「平和や自由、生きるための権利が降って沸いてくると思ってる」「平和が当たり前すぎて無関心状態になること」を言うのでしょうか?それは「平和ボケ」ではなく、単なる「ボケ」じゃないんでしょうか?要するにドイツ人は「ボケ」ていないが、日本人は「ボケ」いる。早い話が「頭」の問題、ただそれだけだと思います。

そうではなく「平和ボケ」とは「平和の尊さが分からなくなっている状態」を言うのではないかと思いますよ。同様に「戦争ボケ」というがある。何かと言えばすぐに「戦争を出来る国」になろうとする連中、私に言わせれば、橋下や安倍は「戦争ボケ」だと思います。要するに奴らは「戦争の怖さが分からなくなっている状態」にある。私なら、このように「定義」しますね。この「平和ボケ」と「戦争ボケ」は、同じ一人が感染しうる「病気」です。ほんとうに怖いのはこの「戦争ボケ」「平和ボケ」の合併症です。「民度」の低い国民は、この両方に容易に罹ります。
Posted by たかし at 2013年06月03日 13:05
「戦争バカ」のほうが合っているかなと思います。
「戦争バカ」が引き起こす「バカ戦争」… 
Posted by 通りすがり at 2013年06月06日 20:21
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