日本語では「人種主義」と翻訳されるこの言葉は、西欧に「起源」を持つものであるからして、元来の意味は、当然「白色人種が有色人種(黒人・アジア人)」を「差別」すること、あるいはそういう思想、の意味であった。しかし、現代では「レイシズム」は、もっと広く「民族差別」あるいは「国籍差別」にまで用いられるようになってきた。
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「レイシズム」という言葉は両大戦間に生まれたもので、西ヨーロッパで発達し始めた近代個人主義社会の特徴として捉えられる。レイシズムと近代とを結びつける人種概念は18世紀から始まったといえる。これとネーションの概念が背景となり、「人種」を身体・本能的特徴、文化的特徴とを結びつける古典的レイシズムや、集団としての本能や身体的特徴にはそもそもとして本質的な差異が存在するといった科学的レイシズムが生まれた。これらは近代レイシズムの嚆矢と言えよう。この考えは、ヨーロッパの拡大、ナショナル・アイデンティティの高揚も伴いさらに発展を遂げる。この結果、白人の文化的優越が主張され、ユダヤ人などを劣等視する言説が正当化されただけではない。特筆すべき点は、逆理的に一部の文化的マイノリティ―それは時多くして被支配者である―がナショナリズムを主張する際にその人種概念を用いさえしたことである。
(ミシェル・ヴィヴィオルカ著/森千香子訳 『レイシズムの変貌』 明石書店)
https://sites.google.com/site/syohyoaura/-12
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現代における「race」の定義は、次のようになっている。
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■race
races (複数形) [名]
1 《人類》人種(Caucasoid, Mongoloid, Negroid, Australoidの4つ);民族
people of mixed race
混血の人
the Japanese race
日本民族.
[類語]race人類学的・民族学的な意味合いの強い人類の分類;永続的な身体的特徴を共有する集団. nation
(1) 主権国家に属する国民の総体.
(2) 言語, 慣習, 法律, 制度などの文化的要素を共有する集団:the Jewish nationユダヤ人. peopleはnation, raceと交換可能の場合もあるが, 文化的・社会的統一性に重点を置く:the Japanese people日本国民/the Asian peoplesアジアの民.
2 ((the ?))人類(mankind).
3
(1) 《動物・植物》品種.
(2) (生物の)類, 種族
the feathered race
鳥類.
4 [U]((形式))一族, 血族, 氏族, 家系, 血統;子孫.
5 (人間の)集団, 仲間((of ...))
the race of novelists
小説家仲間.
6 [U][C]((文))(話・文体などの)品格, 特徴, (特に)ぴりっとした点, (酒の)風味, 特有の味.
[中フランス語←イタリア語razza]
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形容詞は以下のとおり。
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■racial
[形]人種[種族, 民族]の, 人種[民族]上の, 人種[民族]間の
racial discrimination
人種差別
racial conflict
人種間の衝突
racial prejudice
人種的偏見
a racial slur
人種的侮蔑語(特に‘nigger').
▼raceを形容詞的に用いることも多い.
ra・cial・ly
[副]人種[民族]的に;((文修飾))人種[民族]について言えば.
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そして「racism」「racist」の現代における定義。
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■racism
1 人種差別(主義).
2 民族主義政策[体制], 民族的優越感.
■racist
racistの変化形 racists (複数形) [名][C]人種差別主義者.
━━[形]人種差別主義(者)の.
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以上は、常識として、覚えておくべきである。すなわち、現代においては「人種」から「民族・国家」にまで「レイシズム」の範囲が広がっているのである。したがって「朝鮮人差別」も「中国人差別」も、立派な「レイシズム」である。「部落差別」や「職業差別」「年齢差別」「性差別」などは「レイシズム」ではなく、それぞれの呼び名が使用される。しかし、現実には「民族差別(人種差別)」を行なう者は、当然のように「部落差別」もするし「職業差別」もするし「年齢差別」もするし「性差別」もするのであるから、まとめて「レイシスト」と呼んで差し支えないのではないか?というような気もしないではない。
関連スレッド
<「人種」という概念>
http://takashichan.seesaa.net/article/316509331.html
<追記>
※注)レイシストを「差別」する人は「レイシスト」ではありません(笑)。
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一方を他よりも価値の低いものとして扱うこと。」(広辞苑第六版、明解国語辞典)
対象を人種に限定しなければ、ネトウヨが差別主義者であることは確かでしょう。
ここのサイトがネトウヨを「劣ったもの、価値の低いもの」と見なすのは、「正当な理由」(正当「正しく道理にかなっていること」)を根拠にしているので、差別ではありませんね。
ちなみに、ファシズムの意味を調べてみると、
「合理的思想体系を持たず、もっぱら感情に訴えて国粋的思想を宣伝する。」とありました。
国粋主義「自国の政治や伝統的要素をどの国よりもすぐれたものと考え、それだけを守り広めようとする主張」。「どの国よりもすぐれた」は、他国を見下す、と、いうことですね。何のことはない。ネトウヨは単なるファシストだったのですね。
私は在日朝鮮人として生まれ、アメリカ留学を機に国籍を韓国に変えたのですが、この「民族」という概念には常に神経を磨り減らされ、ほとほと疲れ果ててしまいました。しばしば「日本は好きですか?」と質問されますが、本音では「嫌いなところもある」と言いたくても、とりあえず「好きです」と答えます。正直に答えてしまうと「それなら祖国へ帰られてはどうですか」という意地悪な物言いをされるのではないかと、恐れるからです。一方、「韓国人には怨みはないが、韓国という国家は嫌いだ」なんていうことをあからさまに言う日本人が居ても、適当に苦笑で誤魔化すことが多いのです。迂闊に反論をすると、「あなたは何故そんなに素晴らしい祖国へお帰りにならないのですか」という、やはり意地悪な言葉が返ってくる可能性があるからです。
アメリカに留学中、韓国領事館でパスポートの更新をする時には、「韓国人なんだから、英語ではなくて韓国語で話しなさいよ」と女性の領事館員に嫌味を言われました。恥ずかしながら、私の韓国語は英語よりも下手なのです。また、妻は日本人なので、留学中に生まれた子供の届けを日本領事館に出しに行ったときは、私が完璧な日本語を話しているのにもかかわらず、「外国人用窓口」へ送られ、現地雇いのアメリカ人とわざわざ英語でやりとりしました。窓口の奥には、日本人男性が座っており、現地雇いのアメリカ人が指導を請うためその男性を呼ぶと、その男性はとても下手糞な英語で私に説明を始めました。思わず失笑してしまいました。「在日」だと分かっているのだから、日本語で話せばよいものを。
我々が日本に住んでいるのは、「日本が大好きで大好きで仕方ない」からではありません。自分の意志にはよらず、たまたま日本で生まれ育ち、生活基盤が日本にある、という至極単純な理由なのです。日本に対する不満だって、日本人と同様に持っています。日本に「帰化」しない理由も様々で、「朝鮮民族至上主義者」なんていうのは極めて稀です。「親に泣かれるので鬱陶しい」とか、「手続きが面倒臭いのでついつい」とかいう、卑近な理由が案外多いのではないでしょうか。「民族」よりもまず日々の「生活」ですので。
このように、民族的 minority である我々は、日本人よりも遥かに「民族」を意識せざるを得ません。また、徒に排外を煽らぬよう、慎重に言葉を選ぶ必要があります。たとえ相手が「韓国、朝鮮という国家は嫌い」と言ったとしても、「私も日本という国家は嫌い」なんて返す度胸はありません。朝鮮人も日本人も、「民族≒国家」という幻想が強いため、両概念の混同による誤解が生じ易いのです。本当に因果な身の上です。
つまるところ、majority にとっての race は「安全圏」ですが、minority にとってのそれは majority が想像する以上に御しがたい不安材料なのです。Majority の構成員の一部である racists たちは、そこに付け入ることで、幼稚な憂さ晴らしをしている訳です。子供の「イジメ」と同じです。「民族とか人種なんていう概念は、人類にとって有害」と感じることもしばしばです。
アホの革命烈士のブログですかね?