皆さん「ボディーソープ」というものをご存知だろうか?サウナやスーパー銭湯、ちょっと気の利いた温泉旅館の大浴場に、シャンプー、リンスと並んで、必ず置いてあるあれである。石鹸のように手ぬぐいに塗りこむ作業が要らない分、大変に便利なものだ。この商品が巷に現れたのは、一体いつ頃だったろうか?昭和も終りに近い頃だったかも知れぬ。
このボディーソープのことを、時々間違えて「ボディーシャンプー」と言ってしまうことがあるが、そんな時、私はなんとなくバツが悪い。私の若かりし頃は、この言葉は「大審院」と並んで「言う時に気をつけなければならない」日本語の筆頭だった。同年代の方々は、頷いてくださるものと確信している。
ところがである。さっきインターネットで「ボディーシャンプー」を調べてみて驚いた。今やこの言葉が「ボディーソープ」の「同義語」として、存在するのだ!そういう「商品名」として、すなわち「普通名詞」として確立しているらしい。つまり、今や「ボディーシャンプー」といい間違えても、何ら「赤面」することはない。という状況が、現在のこの日本にはあるらしいのだ。このへんで種明かしをすると、私の年代で「ボディーシャンプー」の定義を述べると、次のようになる。
■ボディーシャンプー【ぼでぃー-しゃんぷー】主に「特殊浴場」において、女子従業員によって客に供されるある種の「技」のこと。
たしか「広辞苑」にも、このような説明がされていたと記憶している。なんということだろう。現憲法下で「大審院」が「最高裁判所」と名称が変更される前までは、多くの裁判官、検事、弁護士が口を滑らせて顔を赤らめていたのではないだろうか?しかし「ボディーシャンプー」に関しては、もうそのようなことはない。隔世の感がする、何といい時代になったものだろう。このように、日本語には「危険な言葉」がいっぱいあるので、皆さんも気をつけていただきたい。
2012年12月16日
「ボディーシャンプー」考
【その他雑感の最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック