2012年10月12日

お役所仕事

久しぶりに「お役所仕事」に出くわした。

電子納税(e-Tax)を利用しているため、仕方なく「住基カード」を持っている。その「住基カード」に登録された「電子証明書」の有効期限が、平成24年11月16日を以って切れるから「更新」に来い、という手紙を昨日役所からもらったので、なるべく早いほうが良いだろうと思い、本日手続きに行って来た。

無愛想な中年女性に書類を渡してから10数分後、30代半ばの細面の、私の好みのタイプの女性職員が(そんなことはどうでもよいのだが)カードを渡してくれた。画面の手続きが全て終わった段階で、改めて説明を聞くと、更新日は「本日」になるのだと言う。つまり明日から3年間が新たな「有効期限」になると言うのだ。もらった手紙には、更新日した日にまで「有効期限」が「遡る」などとは一言も書いてはいない。だったら、そんなに早く手続きをしないほうが良いということになる。期限が切れた後でも良いということになる。土台「住基カード」を使うのは、年一回の納税のためだけだ。極端な話、来年の10月まで待って更新しても、何ら問題ないということになる。そうすれば「更新手数料」の500円も、若干得するわけだ(セコい話だが理屈ではそうなる)。

「それはおかしいだろう、本来の有効期限は11月16日なのだから、11月17日から3年間が有効期限になるはずだ。そう変更してくれ。」と言うと「ちょっとお待ちください、聞いてきます。」と言う。上司に聞いてきた後で「誠に申し訳ありません。それはできません。」と言う。更新手続きが終わってしまったので元には戻せないのか、それとも「制度上」そのようになっているのか、を訊こうと思ったが、面倒くさいのと、好みのタイプだったという理由で、引き下がってしまった。私らしくもない。おそらく、執拗に食い下がれば日付の訂正は出来たのに違いない。私の納税期限は11月30日だから、その前に「有効期限」が切れるのは、誠に不都合なのである。出来れば納税手続きが終わった後に切れてもらえるのがありがたい。2年間はもちろん問題ないが、3年目にそういう不都合が起きるのである。

まあ、私の好みのタイプだから許してあげよう、ということで(ちょっとくどいか)役所を出てしまったが、どうにもしっくり来ない。こういうのを「お役所仕事」と言うのだろうと思った。いわゆる「お役所仕事」というのも、昔に比べてずいぶんと改善されてきた、と思っていたが、最近こういう対応がまた多くなってきたような気がする。2年ほど前に年金相談に行った時もそうだった。

さて、今日対応してくれた職員の女性は、ふたりとも間違いなく「非正規雇用」だと思われる。カウンターの中に座っている男性上司は別として、窓口業務の女性の殆どはパート、嘱託、あるいは派遣といった身分であろう。これが「お役所仕事」が復活しつつある原因であることは、まず間違い無いだろう。つまり公務員の「スキルの低下」である。地方自治体の「非正規雇用率」は2008年段階で28%だそうである(しんぶん赤旗)。現在はもっと増えているであろうことは「推して知るべし」である。中には半数以上を非正規雇用が占めている自治体もあるという。ここで私には「ある疑問」がふつふつと湧いてくる。

「公務員試験」とは一体何なのだ?

「公僕」として奉仕する公務員は、一般の労働者にはない「終身雇用」という特権を与えられ、その代わりに難関である「公務員試験」に合格することを求められる。これが、我々の抱いていた「常識」であったはずだ。ところが、今、現実の公務員を見ると「公務員試験」を受かってもいない労働者が、パートや派遣で、不安定雇用の下で公務員と同じ仕事をしている。これっておかしくはないか?「公務員試験」て一体何なの?と思うわけだ。

私は、公務員のいわゆる人数減らしには反対である。なぜなら公的サービスは、絶対に劣化させるべきではないと思っているからだ。それと巷で言われている「公務員の優遇」は別物だと考えている。例えば給与に関しては、民間の水準にしたがってスライドさせる制度などは、是非とも必要だと考えている。ただし、必要な法的手続きが必要なのは言うまでもない。だが、現実に行なわれていることは、上の人間を中央官庁からの「高給天下り」で固め、仕事の最前線で働く労働者を、低賃金の「非正規」に置き換えるというものである。このようなことは、まったくの「本末転倒」であると思っている。まず無くすべきは「高給官僚」である。あの「政権交代」以降、言われて久しいが、全く何の「進展」もありはしない。その一方で、公務員の「非正規化」は、どんどん進んでいる。

posted by takashi at 19:38 | Comment(5) | TrackBack(0) | その他雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうですよね、高級官僚の待遇を民間の給与の変動の動向にあわせて見直すことはやってもらいたいですよね。でも、役人一般の待遇を変えること、今世間でよく言われているように、役人一般の給与を押し下げるように見直す事は、反対です。役人の待遇が改悪されるとするならば、その過程での役人の組合の無力化、弱体化がはかられ、その結果として次には、普通の労働者の組合も同じような無力化や、弱体化がはかられ(もうすでに弱体化してるか?)、一般の国民の労働者の待遇の改悪が待っていると思います。役人一般は我々国民に対立するものとして表れるのではなく、同じ労働者として連帯すべきものなのではないでしょうか。一部恵まれた高級官僚をのぞいて・・・。
Posted by sasatan at 2012年10月12日 22:43
sasatanさん、はじめまして(ですよね?)

>役人一般の給与を押し下げるように見直す事は、反対です。

そうでうね。それをやったら民間の給与はもっと下げられるでしょう。負のスパイラルに陥ることは間違いありません。要は「税制」を公平なものにするのが一番だと思います。富める者は益々富み、貧しい者は益々貧しくなる、このスパイラルを止めるのがまず第一です。sasatanさんには、私の次のエントリーをお読み願いたいと思います。

<スウェーデンの消費税と日本の消費税の違い>
http://takashichan.seesaa.net/article/131111412.html
<スウェーデンの可処分所得と日本の可処分所得の違い>
http://takashichan.seesaa.net/article/131992834.html
Posted by たかし at 2012年10月13日 01:44
以前読んだ本のなかで、19世紀のヨーロッパでは普通の人々を貧しくしておく事で、資本家が労働者をいか様にも処分しやすくなるのだから、人々を貧しくしておくことは、勤勉を美徳とする考えにも合い、良いことだと考える、といった内容の発言をした権力者がいたことをみたことがあります。しかし、現代では人々の旺盛な消費が無ければ、経済発展は難しいとかんがえられるようになり、上記の様な考えを持つ人はいないと思っていました。しかし、現在の日本ではサプライヤー側の立場に立つ人の考え方が強くなってきて、日本の権力者達のなかにも、そのままではないにしても、19世紀イギリスの資本家兼地方無給判事と同じような考え方をする人が増えてきているように感じられます。(私の思い過ごしでしょうか?)そんな状況のなかで可処分所得の増大という方向での税制改革は、そもそも権力の中で議題にさえなっているのでしょうか?疑問を感じます。次の選挙では社民党か、共産党に投票しようと思っていますが、それらの党が政権に付く事はないと思います。また付いた所で、税制改革が行われるということも期待してよいものかどうかも分かりません。たかしさんは具体的に国政に働き掛ける方法をお考えでしょうか?現在の状況ではそれを行って、税制を改革することは限りなく不可能に近いことだと思いますが、しかし、言わねばならぬ、ということも分かります。
Posted by sasatan at 2012年10月13日 10:33
sasatanさん、

日本の資本家たちですが、内需を増やさなければ日本経済が破滅することは、百も承知していると思います。
さらに内需を増やすためには、労働者(=消費者)の購買力をつけること、そのためには賃金を上げるしか無いということ、これも充分分かっているのです。日本のすべての企業が、同時にこれを実施すれば、不況は立ちどころに解消するわけです。しかし、率先して「猫の首に鈴を付ける企業」がない。自分だけがそれをすれば「競争」に勝てない。そういう心理で、経済の進展が見られないのです。これは資本主義の「宿命」と言えるものです。石原慎太郎のお陰で「中国市場」を失った今、日本は内需を拡大しなければ立ち行かなくなることは、誰の目にも明らかだというのに。それに加えて、富の再分配は為されない。今の日本でやられていることは、庶民にとって「踏んだり蹴ったり」です。

>たかしさんは具体的に国政に働き掛ける方法をお考えでしょうか?

まずは、周りに働きかけることだと思います。家族、友人、ご近所。身近なところから共産党への投票を、辛抱強く訴えることだと思います。
Posted by たかし at 2012年10月13日 12:38
どうやら私はネチケットが出来ていなかったようです。
失礼しました。
Posted by sasatan at 2012年12月10日 09:08
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。プロキシ経由は削除されます。

この記事へのトラックバック
このページのトップヘ