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原発事故で埼玉県に役場ごと避難している福島県双葉町の井戸川克隆町長は、除染作業で出る土などを保管する中間貯蔵施設を巡り、「われわれの土地がさらに住めなくなるような中間貯蔵施設の設置を許すわけにはいかない」と述べて、町内への設置を認めない考えを示しました。
福島県双葉町は、原発事故によって町全域が警戒区域に指定され、現在も町役場は集団避難している町民が暮らす埼玉県加須市の元の県立高校の校舎内に置かれています。4日の仕事始めで訓辞を行った井戸川町長は、政府が、除染作業で出る土などを保管する中間貯蔵施設を原発周辺の8つの町村がある双葉郡内に設置したいとしていることについて触れ、「われわれの土地がさらに住めなくなるような中間貯蔵施設の設置を許すわけにはいかない」と述べて、町内への設置を認めない考えを初めて明確に示しました。そのうえで井戸川町長は、およそ80人の職員に対し、「去年の苦難から少しでも脱却できるよう頑張りますので、職員の皆さんも創意工夫と熱意でついてきてください」と述べました。中間貯蔵施設を巡り、井戸川町長が町内への設置を認めない考えを示したことについて、環境省の幹部は「双葉郡内でさまざまな意見が出ていることは重く受け止めている。ただ、中間貯蔵施設を早く設置しないと仮置き場が作れず、除染作業のスピードも加速することができないため、復興が遅れてしまう。双葉郡内の自治体や住民にはこれからも丁寧に説明をして、理解が得られるよう努力していくしかない」と話しています。(NHKNEWSWEB)
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さて、私が冒頭の記事を読ませていただいて思うことは、申し訳ないが以下の2つのことである。
1.「原発」という「毒まんじゅう」に手を出したくせに、何を言うか?
2.では、実際問題として廃棄物は何処へ持って行けと言うのか?
1.については、もちろん東電という企業、そして国や県に最大の責任があるが、原発を推進・容認してきた町長や町民にも責任の一端はある。もっともそれは日本全国に言えることであって、原発が県内にあろうがなかろうが、原発に「反対」して来なかった人すべてに責任はあると、私は考えている。もっと言えば「原発の危険性をより訴えてきた人」の責任は「あまり訴えて来なかった人」より少ないと思う。例えばこの私と広瀬隆氏であれば、広瀬氏のほうが責任は少ないと言える。この図式を無視して、先の大戦の時のような「一億総懺悔」に持っていくのは、危険なことである。今回の原発犯罪については、政治家や東電役員の「個人責任」を絶対に問うべきであると、私は考える。
問題は2.である。双葉町には、今回「破滅」を免れた「福島第二原発」が立地するが、事故を起こさなかったのは単に「運が良かった」からであることは、誰の目にも明らかだ。井戸川克隆町長は「われわれの土地がさらに住めなくなるような中間貯蔵施設の設置を許すわけにはいかない」と言っているが、では双葉町が将来「住める」土地になるのか、といえば「否」である。未来永劫双葉町は「死の街」である。中間貯蔵施設の建設場所としてはまさに「うってつけ」であることは論を待たない。残酷だが現実はそのとおりなのだ。残り少ない日本の「食料庫」でもあり、今回運良く難を逃れた北海道や、これまた被害の無かった九州に、そんなものを造るわけにはいかないではないか?あらゆる「核のゴミ」は、大熊町と双葉町が「甘んじて受ける」より仕様がないではないか?
<追記>
双葉町にあるのは、東京電力福島第二原子力発電所ではなくて、東京電力福島第一原子力発電所5、6号機でした。関係者各位にお詫び申し上げます。
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もちろん、事故の第一義的責任は、国と東電にあることは論を待たない。しかし、双葉町や大熊町には責任はなかったのか、と問えばそれは大ありで、第一原発を誘致したことによって周辺地域を汚染させる原因をつくった責任は免れないと思います。
それをひたすら「被害者」顔していることに強い違和感を覚えました。
また、あたかも近い将来に帰還出来るかのように「幻想」を振りまいていることにもおなじ違和感を覚えました。
最近のネットテレビでは町ごとの移住に言及するなどしているようですが、「中間貯蔵」だけでなく、放射能が出なくなるまで福島第一原発立地場所は、放射性物質を受け入れるべきだと思います。
キツイ言い方のようですが、それが原発事故の現実であり、それを誘致した自治体の責任であると思います。
土佐高知さん、しばらくですね。
尤も土佐高知さんのブログは、時々は覗かせてもらっています。
さて、井戸川克隆町長の件で、ちょっと思い出したことがあります。土佐高知さんのブログでも、大変に「有名」であられるmakotoさんとのやり取りの中で、以前、私が論じたことが、妙に今回の「原発犯罪」にもしっくり来るのです。ちょっと長いですが引用させて頂きます。
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さて、makotoさんは何か勘違いをなさっているようですので、一言ご説明申し上げましょう。例えば、赤紙一枚で南方に送られ、食うものもなく餓死し、あるいは飢えて戦友の屍を食した兵隊、中国に送られて「上官」の命令で捕虜に刺突を行なった兵隊、「上官」の命令で一般市民を機銃で虐殺した兵隊、軍医に命じられて「マルタ」にペスト菌を注射した七三一部隊の下級隊員。確かに彼らは「戦争犯罪人」には違いないが、同時に彼らは紛れもなく「被害者」でもありました。それは虐殺を命令した上官の「被害者」であり、その上官は参謀本部の「被害者」なのです。そしてその参謀本部は大本営の「被害者」であり・・・もうここまで来ると「被害者」などではない、加害者であるのみです。「大本営」イコール「軍閥」イコール「財閥」イコール「日本帝国主義」です。つまり悪いことをやった兵隊(もちろんやらなかった兵隊も中にはいるでしょう)は皆「加害者」であると当時に、日本帝国主義の「被害者」なのです。
千葉県山武郡芝山町の少年たちも、石井四郎に連れられてハルビンの七三一部隊へ行きさえしなければ、生きた人間を解剖するハメにはならなかった筈です。故郷で平凡に暮らし、学校を出て普通に働き、良き父親になって一生を送った筈なのです。つまり全責任は日本帝国主義者とその走狗達にあるのです。本当の悪党に比べれば一般の兵隊なぞ、羊のように「無垢」だと言えるでしょう。あの当時の日本人に「罪」があるとすればそれは「日本帝国主義」の台頭を許した、という「罪」でしょう。日本人ひとりひとりが意識を持って国の誤った行為を防ぐことが出来たならば、日本はあんなことにはならなかったのです。そしてそれは現代に生きている我々も同じです。我々は過去の日本人と同じ罪は犯してはいない。けれども過去の日本を「容認」し、日本を過去に戻すような言論を行なえば、それが我々の「罪」なのです。
「歴史に目を閉ざすものは、現在に盲目になるだろう」
Wer aber vor der Vergangenheit die Augen verschliest, wird blind fur die Gegenwart
Posted by たかし at 2009年12月25日 18:13
http://takashichan.seesaa.net/article/135817560.html#comment
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以上に述べたことが「原発犯罪」にも当てはまるような気がするのです。福島の県民の多くは「被害者」でもあり「加害者」でもあった。原発推進の首長を「選んだ」という意味でね。ただし原発に「反対」していた県民は「加害者」ではなく純粋に「被害者」だというべきでしょう。井戸川町長はどうか?無論「加害者」ではあるが「被害者」と言えないこともない。すなわち情状酌量の余地がまだある。しかし、佐藤雄平知事まで行くと「被害者」では決して無い、東電役員や保安院や、その他の御用学者たち政治家たち同様「加害者」でしかない。こう考えるわけです。エントリーでも書きましたが、決して「一億総懺悔」の二の舞を演じてはいけないと思うわけです。