2011年12月04日

懐かしの映画「めぐり逢う朝」「王は踊る」

美しい作品を2つ紹介しよう。

「めぐり逢う朝」
私は以前VHSを持っていたので、何度この作品を見たことか。多分「ラウンド・ミッドナイト」の次くらいに多く見ているのではないかと思う。テープの時代が終わり、DVDの時代がやってきたが、嬉しいことに最近はYouTubeで見ることが出来る。削除されるまでのしばしの間、これを見るのも良いだろう。

映画は、老マラン・マレーの「回想」場面から始まる。冒頭「サン・ジュヌビエーブの鐘」のリハーサルシーン、老マレーは突然、楽師たちを自分の傍らに呼び寄せ、座らせる。そしておもむろにこう言う「諸君、これから我が師の話を聞かせよう」。そして静かに語り始める。

まず彼の師、サント=コロンブの「人となり」が語られる。その厳しい音楽への取り組み、ストイックで清貧な日常生活、二人の娘(マドレーヌとトワネット)についても語られる。子役のトワネットがなんとも可愛らしい。子役の二人によって歌われるノエルの、何と心に沁みることか。美しい妻に先立たれたサント=コロンブは、俗世を嫌い「隠遁者」のような生活を送っていた。彼の噂を聞きつけた貴族たちが、彼をヴェルサイユに招こうとするが、彼はその都度「けんもほろろ」で彼らを追い払う。サント=コロンブはある日、馬を売った金で小屋を建てる。ヴィオールを練習するための小屋である。

そこへ訪ねて来るのが、若き日のマラン・マレーである。サント=コロンブは、この若者の才能を一目で見抜く。最初、師弟の仲はうまくいっていた。しかし「俗世の名声」を追い求めるマレーと「求道者」である師の間の溝は深まっていく。マレーが「街へ出て有名になりたい」と言うと激怒し、マレーの楽器を叩き壊してしまう。そうやって破門になるマレー。しかし、既にマレーは長女のマドレーヌと愛し合う仲になっていた。そしてマレーは、ベルサイユに音楽家として雇われることになる。

サント=コロンブは時折、妻の幻(亡霊?)を見る。妻の亡霊と連れ立って、クリスマスのミサに出かけるサント=コロンブ。そのシーンの何と美しいことか!クープランの「ルソン・ド・テネブレ」の、何と心に沁みることか。

時は流れ、ベルサイユでリュリの後任としてオーケストラを任されるようになったマレー。ある日リハーサル中に手紙を受け取る。病床のマドレーヌが彼に会いたいというのだ。馬車を駆って駆けつけるマレーに、マドレーヌは、かつてマレーが自分のために書いた曲の演奏をせがむ。事務的に演奏を始めるマレーに彼女は「もっとゆっくり弾いて!」と怒る。演奏を終えたマレーがそそくさと帰った後、マドレーヌは首を吊る、かつてマレーが彼女に贈った靴のリボンを使って。娘の死後、ますます世の中を避け「隠遁者」として過ごすサント=コロンブ。そんな彼にある夜、意外な訪問者が・・・。再開した師弟は「最後のレッスン」を始めるのだった。

極上の映画である。映像がとにかく美しい。挿入される音楽は、ホルディ・サヴァル、モンセラート・フィゲラスなどの最上級の感動的な演奏。最後に蛇足ではあるが、サント=コロンブ以外の役者はすべてヴィオールが弾けるようで、左手の運指が曲と一致している。サント=コロンブさんも、もっとしっかり手ほどきを受ければよかったのに、せめてアップのシーンだけでも。


「めぐり逢う朝」


「王は踊る」
こちらは17世紀の音楽家ジャン・バティスト・リュリの映画である。前作同様、老リュリの回想で始まる。リハーサル中の些細な事故から壊疽を起こして死んだリュリ。その波乱の半生を描いている。こちらの「あらすじ」については、ちょっと手抜きをさせていただいて「Goo映画」からのコピペとさせていただく。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD360/story.html

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1643年、ルイ14世(エミル・タルディング)は5歳にしてフランス国王になる。だが14歳になった今も政治の実権を握っているのは、母のアンヌ(コレット・エマニュエル)と宰相マザラン(セルジュ・フイヤール)で、ルイに与えられた権利はギターとダンスだけだった。その頃、イタリアからやって来た音楽家にして舞踏家のリュリ(ボリス・テラル)と出会ったルイは、彼の振り付けたダンスによって太陽王のイメージを人々に知らしめていく。そして1661年、ルイ(ブノワ・マジメル)が22歳の時、マザランが死去。全権を握ることになったルイは、まず王立舞踏アカデミーの設立を命じ、フランスの改革をはじめる。スペインの王女マリ=テレーズ(ヴェロニク・マイユ)と政略結婚したルイは、リュリにもマドレーヌ(セシール・ボワ)という娘との結婚を命じる。しかしリュリは実は男色家で、ルイを密かに愛していた。一方、どんどん権力を増していくルイは、作家モリエール(チェッキー・カリョ)の活動を支援したり芸術活動に力を入れていくが、やがて母が死の床につき、名実ともに国を支配する立場になると、芸術に対する興味が失せてしまう。1687年、リュリは怪我がもとで足を切断する必要に迫られるが、王と踊った足は切れないと手術を拒否、そのまま息を引き取るのだった。
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前作同様、全編の流れる音楽や舞踏のシーンが見ものである。リュリ役のボリス・テラルが実にハマっている。


「王は踊る」(スペイン語吹き替え版)

posted by takashi at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・文学・音楽など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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