2011年11月10日

デジャ・ヴュ

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今日、病院の帰りに一杯やるために行きつけの寿司屋に寄ると、珍しく背広姿のサラリーマン客が二人いた。その二人はしばらくして勘定を済ませ、そして「領収書」をくれと言う。ああ何と、懐かしい「領収書」。それを聞いてマスターの若旦那は、領収書用紙を近くの文房具店に買いに走った。普段は近くの商店主や、おばさんたちの溜まり場の店なので、領収書などあまり使わない。なので用紙を切らしていたのだ。しかし、たかだか一人950円の昼飯を「浮かせる」ために「領収書」を書かせる、そのサラリーマンのいじましさに、私は昔を思い出していた。

その営業部長は、1年365日毎日、昼食と夕食の「領収書」を会社に提出していた。取引先との会食や接待のみならず、社内の仲間同士の宴会や、時には家族を連れての「私的な」飲み食いの「領収書」まで出していた。それは「公然の秘密」だった。そういう上司の悪事は、部下もすぐ真似をするものである。そのような不正を働く営業マンが、他に二人いた。私はある日、領収書の「10,000円」を「40,000円」に偽造した領収書を発見して、私の直属の上司に見せに行った。

その上司は、私の尊敬する上司だった。その上司が言うには「今回の二人の不正は、上に報告すれば懲戒解雇になるだろう。それでは彼らの将来に傷がつくので、この件は私の胸に留めておく。しかし、ああいう連中は他にも必ず不正をやっているものだ。そのうちそれがバレて結局会社を辞めることになるだろう。」とのこと。上司はすでに彼らの「別件」を知っていたのである。

それからしばらくして、その二人は、自社の技術者を他社に就職斡旋した、という理由で辞めさせられた。退職理由は「自己都合」であった。

部下はそのようにして辞めていったが、件の営業部長は相変わらず会社の金で、一晩に何十万も飲み歩き、高級料亭をハシゴしていた。接待の相手はいつもほぼ決まっていた。しばらくして、当のその接待の「相手」が、我が社に「取締役」として入ってきた。所謂「天下り」である。当社に入ってきたその人は、営業部長を上回る交際費を使い始めた。この二人は完全につるんでいた。この二人はそのあと(私が辞めた後のことだが)それぞれが「社長」を歴任した。

社団法人ではない。一般の企業である。ただし、株主は法人であり、オーナー企業ではなかった。もしオーナー企業だったとしたら、こんなことは絶対に許されるはずはない。良くも悪くもオーナー企業は「金」に関する不正には厳しいものだ。「飼い犬に手を噛まれた」という意識が経営者に働くからだろう。

しかしその会社は違った。株主が大企業と銀行であり、社長は「年番回り」で、それらの会社や、取引先や、◯◯省や、あちらこちらから「天下って」来るのだ。所謂「サラリーマン社長」である。株主総会は5分で終わる(笑)。

さて、上記の営業部長が、接待をし、会社に引き込んだその人物のいた会社こそが、何を隠そう「東京電力株式会社」だった。



posted by takashi at 20:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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