2011年08月09日

武田邦彦の処世術その2

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中部大学の武田邦彦教授が、8月4日付で自分のブログに「釈明文」を載せている。
http://takedanet.com/2011/08/post_fa7c.html

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私は「転向」したのか?・・・科学者の信念


私は、「原発は推進すべきである」という考えから、「原発は即刻、中断すべきである」という意見に変わりました。世間の人はこれを「転向」として批判しています。
自由な批判、自由な意見こそ社会を明るくするものですから、批判は正面から受け止めていますが、私には少し言い分があります。
・・・・・・・・・
【第一期】
日本はエネルギー資源がないので、原子力を活用するのは日本のためになると考えていた時期。
【第二期】
原子力安全委員会基準部会で新耐震指針を審議したとき、「原子力発電所に想定外のことが起こったら、住民が大量に被曝することを理解しておかなければならない」という趣旨が明記されたものが出たとき。
私は何のために原子力を研究してきたのかという深い疑念をもち、「日本の原発は地震で倒壊する」という内容の本を2冊出版して「できれば運転しない方が良い」という考えに変わった。
【第三期】
福島原発が破壊しても、これまで原子力を推進していた科学者の「反省」が聞こえず、専門家の虚偽のコメントが続いたこと、北は青森から南は石川県に至るすべての原発が震度6の地震で破壊したこと、の2つから科学者として、原発を中断する必要を感じた。
・・・・・・・・・
批判を受けたことは気になりません。確かに「原発を推進するか」という点では転向したのでしょうが、「科学者としての態度」としては一貫していると自分では思っています。

科学者、特に私のような工学の分野では、その活動は「社会に貢献する」というのが前提です。「エネルギーを安定させるために原子力を進める」という信念は、「原発が事故を起こすようなら推進できない」というのと同じです。
だから、原発が安全に運転できると思っていた頃は、原発を推進すべきと言う考えだったのですが、原発が震度6でことごとく破壊されることを目の前で見て、それでも原発を推進するという方が私には「科学者の転向」のように感じられます。

私が今、疑問に感じていること、それはこれまで一緒に原子力をやってきた科学者が、なぜ福島原発(おなじような破壊を受けた東海第二、東通)の事故を見ても、そのまま原発を進めようとしているのかということです。
科学的に見て原発を中断するべき時でも、政府がそれを推進することはあります。でも、私たち科学者は政治家ではなく、「原発が必要かどうか?」より「原発は安全かどうか?」の方に判断の基準があるはずだからです。
人間の考えは未熟で、間違いだらけですから、意見を変えることはやむを得ないと思っていますが、今回の私の「転向」はターゲットの変化であり、科学者の信念や心としての「転向」をしなかったという点で自分でも満足できるものでもあります。
 
(平成23年8月4日 午後1時 執筆)武田邦彦
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どうも武田氏は大きな「勘違い」を起こしているようだ。誰も武田氏が「転向」したことを責めてはいない。そうではなく私は、彼が「嘘つき」「無節操」であることを、批判しているのである。さて、ではこの「釈明文」のインチキを見ていこう。

武田氏は上記文章で、自分の原子力発電へのスタンスが、あたかも【第一期】【第二期】【第三期】と「段階的に変遷している」かのように描いて見せようとしている。しかし何故か彼は、それぞれの時期が、一体いつからいつまでなのかを「意識的に」記載していない。書けないのである。何故なら彼は、決して上記のような「段階的転向」をしているわけではないからだ。そうではなく武田邦彦は、その時々で言うことがを「コロコロ」変えているだけなのだ。呼ばれた(=お座敷のかかった)メディアによって、自分のスタンスを都合よく使い分けている。まさに「御用学者」いや、もっとはっきり言おう「電波芸者」である。すなわち彼は「転向」したのではなく、ただ単に「嘘つき」で「無節操」なだけなのである。

【第二期】のアリバイのひとつとして、武田氏はこの文章を挙げるかも知れない。
http://takedanet.com/2007/07/post_146c.html

「『日本の原発は地震で倒壊する』という内容の本を2冊出版して『できれば運転しない方が良い』という考えに変わった。」と、彼が述べているのは例えばこのことを指しているのだろう。

しかしである。この文章は、2006年の5月2日に行われた「原子力安全基準・指針専門部会」で自分が言ったことを、2007年にブログの記事として載せたものである。

そして【第三期】であるが、これは「福島原発が破壊しても、これまで原子力を推進していた科学者の「反省」が聞こえず、専門家の虚偽のコメントが続いたこと、北は青森から南は石川県に至るすべての原発が震度6の地震で破壊したこと、の2つから科学者として、原発を中断する必要を感じた。」としていることからしても、少なくとも2011年3月11日以降であるということが推測される。

つまり、彼の【第二期】は、これらのことから類推すると「2006年の5月2日〜2011年3月11日まで」ということになる。

さてみなさん、武田氏が「『日本の原発は地震で倒壊する』という内容の本を2冊出版して『できれば運転しない方が良い』という考えに変わった。」と、自ら説明しているこの【第二期】に、彼は一体どのようなことを言っているか?2010年8月20日の下記番組での彼の発言をよく聴いて欲しい。

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クロストークエネルギー「環境問題の嘘を見抜け」PART2
製作:電気新聞
提供:電力中央研究所、三菱重工業、東電工業、東電設計、東電環境エンジニアリング
クロストークエネルギー

<要旨>

「人間は楽しむために生きている」
「一番いいのは言うまでもなく原子力・・・しかない」
石油石炭は枯渇などの問題がある
電気はやっぱり原子力ということで日本はやっていくべき
日本は自然に恵まれている
地球温暖化の影響を受けない
日本の悪い面は資源がないこと、だから原子力でまかなう
「太陽光発電や風力発電は自然を壊す」
自然からエネルギーを取り出すのは、本来自然が使うエネルギーを奪っているから、「自然を汚す」ということ。極めて危険なこと。
その点、原子力は今地上で動植物が使っているエネルギーではなく、地中からエネルギーを取り出すわけですから、これは人間が使っても「なんにも影響を及ぼさない」
「自然からのエネルギーは意味ないですね」
水力発電でわかったように自然エネルギーが3%を越すと自然を壊すということが実証済みです
「太陽光発電なんかひどいもんですよ」
太陽エネルギーは動物も植物もみんな使っている
それを遮蔽して電力にするのはむちゃくちゃ
自然は破壊される
太陽の光、風は無限→くだらない
自然のエネルギーは100%利用されているから、それを発電に使うと自然破壊が起こる
1970年ごろから失敗してダメだとわかってる
太陽、風力は自然を傷める
ダイオキシンは猛毒という誤解ですら一般化される
ダイオキシンなんて本当は無毒
このようにいくらでも庶民はごまかせる
(なぜ自然エネルギーへの動きが活発?)
利権が極めて強い
(武田の理想社会とは?)
社会は進歩しなきゃならない
科学技術はみんなが楽しく生きられる
日本人がCO2を増やしても減らしても変わらない
日本なんかCO2ほとんど出していない
CO2の量なんかどうだっていい、節約なんてしなくていい
車をブーンと飛ばしてデートに行くのがいい
節約だといってデートにいかないなんてことはあってはならない
ゴミの分別が嫌い→私が分別の機械をつくるから→それが科学技術の役割
今の日本はスターリン時代の共産主義と同じ
節約しなきゃいけない、省エネしなきゃいけない・・・
「原子力やらなきゃダメですよ」
当たり前
原子力は温排水でる→世の中のエネルギーは全部温排水出る???
「原子力発電は温排水出すと(笑)そんなこと言ったらあなた死んでくださいよ(笑)」
「(武田さんにとって大切なこと)」
一番大切なのは誠実さ
学者はウソをつかないこと

http://kkindi.tumblr.com/post/7532469907/2010-8 
以上masami_kato text (beta)より転載
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内容は、ほとんど「酔っぱらいの戯言」であるが、この中で武田邦彦は、はっきりと言っている。

・電気はやっぱり原子力ということで日本はやっていくべき
・日本の悪い面は資源がないこと、だから原子力でまかなう
・原子力は今地上で動植物が使っているエネルギーではなく、地中からエネルギーを取り出すわけですから、
 これは人間が使ってもなんにも影響を及ぼさない
・原子力やらなきゃダメですよ当たり前
・原子力は温排水でる→世の中のエネルギーは全部温排水出る???原子力発電は温排水出すと(笑)
 そんなこと言ったらあなた死んでくださいよ(笑)

呼ばれた「お座敷」のスポンサーが「電力中央研究所」「三菱重工業」「東電工業」「東電設計」「東電環境エンジニアリング」だと、彼は平気でこういうことをしゃべるのである。まさに「無節操」「無責任」「無定見」の極みである。彼には、私のこの「指摘」にこそ、自身のブログにおいて「釈明」してもらいたいものだ。武田氏の最後の言い草が笑いを誘う。

「一番大切なのは誠実さ」「学者はウソをつかないこと」だってさ(笑)。


posted by takashi at 23:15 | Comment(3) | TrackBack(0) | 武田邦彦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「不勉強」です。

このヒト、チャンネル桜の解説委員あたりにちょうどいいんじゃないですかね。水島とかいう馬鹿社長の隣で与太かます姿、非常にお似合いだと思います。
ここまで支離滅裂・無節操・不誠実な態度の「自称学者」が放つ「一見もっともそうに読めるように色々小細工された与太話」をいつまでも信用してるのは、自分の頭でモノを考えることを放棄した「盲信者」くらいではないでしょうか。「タケダセンセーノイウコトダカラマチガイナイ!」ってね。

ところで、「武田邦彦 誠実」で検索すると、下のブログ記事がトップに出てきました。「誠実さ」をエラソーに他人に求める当の武田の「誠実さ」を検証する内容です(笑)
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20110712
自分の記事をコッソリ改ざん・隠ぺいは当たり前、情報の仕入れ先も明らかにしないことも日常茶飯事。こんな人はどの立場でモノを論じるのか以前の次元で、学者・論者と呼ぶに値しませんね。
Posted by 不勉強 at 2011年08月11日 11:17
>その時々で言うことがを「コロコロ」変えているだけなのだ
>ただ単に「嘘つき」で「無節操」なだけなのである。

真っ先に橋下氏を思い出しました。似ているんじゃないでしょうか?舌の根も乾かぬうちに、とか面の皮の厚さとか…;
Posted by うろこ at 2011年08月12日 12:27
武田という人は、病的な嘘つきか、職業的な詐話師かのどちらかと思っています。
慰安婦の、吉田清治に類する人間でしょう。
Posted by たぬぼん at 2014年10月24日 21:44
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