2011年07月02日

武田邦彦が「反原発」だと思っている「お人好し」の皆さんへ! その2

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武田邦彦については、不思議なことがいっぱいある。3.11以降、彼が執拗に、自身のホームページで原発問題を取り上げているのは、皆さんもご承知であろう。しかし、彼の過去の記事を見渡すと、原発に関するものはほとんど目につかないのである。あるのは主に「ペットボトル」であるとか「買い物袋」であるとかの話ばかり。武田邦彦の文章は「これが科学者の文章なのか?」と疑いたくなるような、非論理的で、情緒的で、ときには読解不能なものもある。日本語としての「テニオハ」すらも怪しいし、接続詞の使い方なども意味不明なことが多い。さらには前に書いたことと矛盾することを平気で書く。

ま、それは別として、本当に原発に関する文章がないのかどうか、私は過去ログを丹念に調べてみた。すると14章に渡る「原子力を考える」という論文(?)があった。さらには「原子力の隠蔽体質・・・何が見えるか?(その1)」というのや「新潟の原子力発電所の漏洩事故」というのがあった。奇妙なことに「原子力の隠蔽体質・・・何が見えるか?(その1)」は「その1」と謳っているにもかかわらず「その2」以降が、何故か無い。

以上、調べて見た結果、原発に関する文章は、あるにはあった。しかしそれらは「反原発」的内容であるとは「お世辞」にも言えるものではなかった。原子力の持つ普遍的な危険性、原子力と人間社会との相容れない構図、といった、例えば京大の小出裕章氏のような「反原発」学者であれば、当然主張するはずの論点が、そこにはひとつも見られない。その議論の主眼は「国防上」の危険性を指摘したり、イラン・イラク・北朝鮮といった「日米の敵」の原子力開発など、何のことはない森本敏あたりが好んで書きそうな記事ばかり。そうでない場合は、ことさら自らの「知識」をひけらかすための「お勉強会」がほとんどである。それと、読んでいて思ったのだが、この武田邦彦なる人物には「日本人優位主義」「外国人蔑視」の思想が、しばしば見られるようだ。それについては追々述べることになろう。

以下、武田邦彦が書いた文章の中から、検証してみたいと思う。
http://takedanet.com/

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「原子力の隠蔽体質・・・何が見えるか?(その1)」
http://takedanet.com/2007/03/post_5ee9.html
原子爆弾を徐々に爆発させるような危なっかしいことをやっていた原子力発電の新しい技術が登場した。それが「「水」を原子炉の中にいつも入れておく」という方法であり、これを軽水炉と呼ぶ。「水」といっても「ただの水」である。
 それまでの原子炉は「重水」「黒鉛」のようなものを使っていた。専門的な話は少し割愛するが、重水や黒鉛は核分裂反応を冷やさないので効率よく核爆発のエネルギーを取り出すことができる。その代わり、危ない。
 「冷やしながら燃やす」より「燃やすだけ燃やす」という方がエネルギー効率が良いのは当然だ。だから最初は「重水」や「黒鉛」を使った。イギリス、カナダ、そしてソ連などが盛んにこの方式の原子炉を開発した。チェルノブイリもその一つだった。
 でも、危ない。私は原子力発電を支持しているが、もし軽水炉がなかったら私は原子力反対派だっただろう。

「新潟の原子力発電所の漏洩事故」
http://takedanet.com/2007/07/post_146c.html
 日本の原子力行政は透明だこれは素晴らしいことだが、透明性があるのに、それが有効に生かされていない。特に、この会議にはマスコミも来ていたので議論は知っているはずであり、それにしては報道も「原子炉は地震で壊れる」ことを報道していないように感じられる。
  でも、このような微妙な問題を審議する委員会が公開で、議事録を誰で見ることができ、さらに私がネットで論評を加えることが出来るということは日本の原子力行政が、民主自主公開の原則を堅持している事を示している。これが守られているかぎり希望はある。

「原子力を考える(2)」
http://takedanet.com/2007/04/post_3b6f.html
日本の原子力発電所は「水」を使って炉を冷やしているが、水は「核反応が進めば進むほど反応を止める方向に行く(負のボイド効果)」という特徴を持っているので、水素爆発などは別にして原子炉自体は核爆発させようとしても爆発しない。
 
でも旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所は違った。この発電所は別の目的があったので「爆発しやすいように設計」されていた。黒鉛減速というこの発電所の方法は「反応が進むほど進む(正のボイド効果)」がもっとも高い設計だった。だから暴走が始まると止まらない。
 そんな発電所を作った理由はいくらでも原子爆弾が欲しかったからだ。チェルノブイリ発電所というのはそういう名前がついているだけで、真の目的は爆弾製造だった。日本では一般的な水で減速する原子炉(軽水炉)は239Pu(原爆の原料)の他に、爆弾にならない240Puができるが、これが1%でも入ると爆弾にならない。
 その点、黒鉛を減速材に使うと高純度の239Puが得やすい。危険を冒しても原爆が欲しい、これがソ連政府の考えだった。信じられないことだが、それが現実だった。恐ろしい共産主義の例である。
 そのためにチェルノブイリ原子力発電所は爆発し、それが誤解されて「原子力発電所というものは爆発する」と理解されている。
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そのくせ3.11の後には、こんなことを言っている(笑)。
 
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「原発 緊急情報(2)」
http://takedanet.com/2011/03/post_deb3.html
核分裂反応が少しでも継続しているとすると、炉内の水が少なくなっていくと核分裂反応が進んでチェルノブイリのようなことになるからです。  
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まさに墓穴を掘っているような文章である。「チェルノブイリのようなことになる」とは「爆発する」ということではないのですか、武田先生?「私は原子力発電を支持している」と言い「日本の原子力行政は透明だ」と言っている。また、ほとんど何が言いたいのか分からないが「日本の原子力発電所はソ連の原発と違って安全である」というようなことも言っている。これらは、現在の彼の言動とあまりに「乖離」しているではないか?更に決定的なことであるが、3.11以降もなお彼は「私は安全な原発ならば推進の立場である」とまで言っているのだ。
「『安全な原子力推進派』は異端?私のスタンス」
http://takedanet.com/2011/03/post_9ba3.html
これが奴の正体である。

先日USTREAMでまたぞろ「武田邦彦×岩上安身」対談をやっていた(メチャクチャな内容)。
http://www.ustream.tv/recorded/15710358

このインタビューのあと行なわれたのであろう「武田邸」における二次会生中継は、酔っぱらいが数人でクダをまいたり、虚勢を張るといった醜態を、延々と実況中継するというものであった。さすがにこの中継場面はアーカイブには残されていない。しかし、それに先立つ上記の岩上安身氏による武田邦彦氏に対する「アルコール抜き」のインタビューも、二次会に劣らず酷かった。武田先生曰く。太陽光パネルの下は、太陽光の影になるので「得体の知れない未知の生物」が繁殖進化するから、太陽光はエネルギーとしては「使えない」のだそうだ(1:52あたりから)。だとしたら、今でも国土の上に無数に建っている、ビルや工場や人家の下には、得体のしれない奇怪な生物がうようよいることになる。武田先生、アナタほんとうにダイジョウブですか?一体何が言いたいのですか?ひょっとしてアナタの言う「未知の生物」とは、ワラジムシのことですか?

結論から言うと、この男は明らかに「風見鶏」である。「バスの乗り遅れるな」というのがこの男の本音である。広瀬隆、後藤政志、田中三彦、小出裕章といった「現代のヒーロー」の「かっこよさ」が妬ましくて「にわか反原発」を装い始めた、というのがズバリ、この武田邦彦という「似非学者」の正体なのである。したがって武田邦彦は、次のように我々に謝罪すべきだ。

「私は、3.11を境に、皆さんに気付かれないように、立場をコロリと変えました。まるで以前から『反原発』だったかのように振る舞い、そのような文章を現在、乱発しています。ですから、私の書くことは、3.11以前と以降では、矛盾したことばかりです。所詮私のようなインチキ学者には、マトモな文章など書けません。私は、実は御用学者として、電力から金をもらって羽振りよく暮らしたかったのです。しかし、私にはそのような人脈も力量もありませんでした。そんな私が、このたび地震で福島原発が崩壊したのを見て、スケベ心を起こしてしまいました。以前から反原発だった『フリ』をすることに決めたのです。しかし、私のホームページには、これまでに書いた文章が一杯溜まっています。だから私が今書いている文章は、矛盾だらけになってしまっています。昔の文章を読めば、私のいい加減さがバレバレなので、なるべく皆さんには過去ログを読まれたくありません。私がテレビで威勢よく『政府批判』などしているのを見て皆さんは、私が京大の小出裕章氏などと同じ筋金入りの反原発学者だと思ってらっしゃるかも知れません。しかし誠に申し訳ありませんが、実は私はただのインチキ男なのです。ゴメンナサイ。」

関連スレッド
<武田邦彦が「反原発」だと思っている「お人好し」の皆さんへ!>
http://takashichan.seesaa.net/article/205936299.html

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posted by takashi at 22:43 | Comment(4) | TrackBack(3) | 武田邦彦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>太陽光パネルの下は、太陽光の影になるので「得体の知れない未知の生物」が繁殖進化

むしろ生物学者は「得体の知れない未知の生物」が発見できて喜ぶのでは(笑)
それにしても武田邦彦はトンデモ科学者だな。
思いつきで文章を書いているとしか思えないですよ。
Posted by あるふぁ at 2011年07月03日 17:54
この人物は専門家を自称するくせに反応度事故(核反応の暴走、チェルノブイリがこれ)と冷却喪失事故(炉の冷却ができず核分裂生成物の崩壊熱でメルトダウンする、スリーマイルと福島がこれ)の区別ができないらしい。
黒鉛や重水を減速材に使っても、反応度事故を起こさない原発は作れるし(東海第一やカナダ型重水炉)、軽水炉が主流となったのは単に使い勝手や費用の面で優れているからに過ぎない(反応度事故が起きない、コンパクトで高出力など)。
武田邦彦は学者というよりも芸能人をやりたいんだと思います。

最新型の軽水炉では、原子炉上部に水タンクを設置したり空気冷却を採用するといった方法で、電源が切れても数日間は冷却できるそうです。でも複雑な安全対策で建設コストは上昇しており、アメリカでは原発の新設計画は軒並み中止となったそうだ。
天然ガスは200年、石炭なら500年持つそうで、しばらく火力発電で問題無さそう。
Posted by poncotsu at 2011年07月04日 01:03
武田氏は安全な原発に賛成派であり、今度の事故で、はじめて反原発に変わったと自身で述べていますので、この批判はあたらないと思います。科学者というよりは、放射能管理資格を取得した専門家であると思います。ブログでの事故直後における記事はぬきんでて参考になるものが多かったと思います。
Posted by クラリテ at 2011年07月05日 02:51
武田邦彦の処世術
http://t.co/XyUITPT
Posted by たかし at 2011年07月10日 11:10
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