「地雷」は、極めて愚劣な兵器である。地雷の最も罪深いところは「土地の価値を下げる」ということにある。つまりその国の「経済」に決定的な打撃を与えるのである。「地雷」というのは、埋めるのは造作も無いことだが、撤去するのに多大な時間と労力を要する、実に愚かな兵器である。こんな例えを聞いたことが無いだろうか?箱いっぱいの「パチンコ玉」を部屋いっぱいにぶちまけた時を考えれば良い、ぶちまけるのは一瞬だが、拾うのにはひと苦労する、と。なるほど巧い例えだとは思うが、パチンコ玉とは比べものにならない「実害」を伴うのが地雷だ。まず地雷は「何処に埋めたかわからなくなる」代物である。埋めたのが「敵」であっても「味方」であっても、だ。厄介なことに、最近では金属探知機で感知出来ないプラスチック製が主流だとも言う。そんなものを「自国」の土地に埋めて、土地の価値・価格をゼロ(あるいはマイナス)にしてしまうということが、その国の経済にとって、どれほどの足枷となることか?考えたら誰でも分かることである。ありとあらゆる経済的「富」を生み出す「土地」という、天からの賜り物を、二束三文に貶める「地雷」。
原発は「地雷」に似ている。似てはいるが、その何億倍も愚かな代物だ。一瞬にして価値を「無」にしてしまう、その土地の広大さが「地雷」の比ではない。
福島県の大半が、永久に人の住めない土地になることは、まず間違いないだろう。言っておくが、日本が「返せ!」と騒いでいる「北方領土」の何倍もの面積が、である。それでも「原発大好き人間」の中には、こんなことをいう人がいるかも知れない「チェルノブイリに比べると汚染地域は少ない」と。たしかにそうかも知れない。しかしそれは何故か?理由は簡単だ。日本という国の地理学的な条件が、たまたま「幸運」だっただけである。チェルノブイリを見ても分かることだが、所謂「ホットスポット」は、数百キロ離れた土地にも出現する。チェルノブイリは、広大なヨーロッパ大陸の内陸に存在する原発だった。その時、たとえどちらに風が吹いていたとしても「人の住めない土地」が、広域に及ぶのは避けられなかっただろう。
それに引き換え、日本の場合は、放射性物質の「直撃」を受けたのは、内陸部では飯舘村近辺などに限られる。何度も言うがその理由は簡単である。福島第一原発が、海洋国である日本の「東の端」にあったから、ただそれだけである。偏西風に乗って放射性物質は、その殆どが太平洋に飛んで行ってしまった。それだけの理由である。海に降り注いでしまえば「あとは野となれ山となれ」である。おまけに高濃度の汚染水の大半を、東京電力は、自発的に太平洋に垂れ流してしまった。はっきり言えば日本は「海に助けられた」のである。ヨーロッパのような「内陸国」ではなく「海洋国」であったこと、たまたま西風が吹いていたこと、たったそれだけのことが、如何に幸運であったか、この際、我々はよく噛み締めておくべきだろう。
もっとも、放射性汚水を海に垂れ流した「犯罪」は、これから全世界に追求されることになるだろうが。
しかるにである。もし次に起こる事故が日本海側だったら・・・。西日本や中部の原発だったら・・・。私は考えるだに恐ろしい。間違いなく、次こそ覚悟しなくてはならない。その時は、冗談ではなく「日本終了」である(笑)。
菅首相によると、なんでも「防波堤」が完成したら、浜岡原発は運転再開するのだそうだ。自民党の連中にいたっては浜岡原発を「止めるな」だそうである。全く狂気の沙汰としか思えない。私は先日<原発事故所感その12〜愚かな「東電詣で」と原発反対派の脆弱なレトリック>で、次のように書いた。
http://takashichan.seesaa.net/article/202332849.html
「どんな防波堤を作ったら防げるか?などという議論をしなければならないほど危険なものであるのだから、原発は造るべきではない。」
この一文には、誰ひとりとして「ツッコミ」を入れてこなかったが、私にはツッコミに対する「反論」がすでに用意してあった。たぶん、頭の悪いネトウヨは、火力発電所を「引き合い」に出してくると思ったからだ。「じゃあ、火力発電所も作るべきじゃないね」・・・(笑)。幸いツッコミはなかったが、その時に私が用意していたのは「火力には防波堤は必要ない」であった。津波が来たら従業員が逃げる、ただそれだけでいい。燃やしているボイラーが水をかぶって「ジュー!」それでおしまいだ。それが全てだ。それ以上何もない。何も起こらない。あとは、壊れた施設を「修復」なり「再建」なりするだけだ。でも原発は「違うだろ!?」「いま、お前たちはそれを味わっているんだろ!?」
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というご指摘(永久じゃなくても何代はかかるだろう)を、政府関係者なら誰もする度胸がないでしょうね。政府はそれを知ってて被災地の人に嘘を言い続け、恐らく被災地域の方もそういう真実から目を逸らしているでしょう。
この度の被害の深刻さを直視し、風評被害とか馬鹿も騙せない嘘をやめることが、第一歩でしょう。そすれば国民も真剣に原発の存続を考えるのでしょう。
もう既に復興云々言っている人は、どれだけの災難なのか分かってないか、分かっててもわからない振りしているかと思う。
りょうさん、こんにちは。ゆうすけさん、はじめまして。
今回の東電による「放射能犯罪」の被害が「この程度」で済んだ(とは言っても充分に「破滅的」な被害ではありますが)のは、一にも二にも偶然です。
日本という国の地理学的条件が、たまたま上で述べたように運の良いものだった。ただそれだけです。だから福島第一以外の原発が、福島第一と同量の放射性物質を垂れ流していたとしら、事態は絶望的なものになっていたことでしょう。そしてその絶望の「根」がまだ「断たれていない」ことに、私は言いようもない恐怖を感じます。
続きです。もう一つ、日本には「時間がない」ということを指摘したいと思います。ドイツは十年で原発を「全廃」すると言っていますが、本当はもっと長くても構わないのです。何故ならドイツには「地震が(ほとんど)無い」からです。
翻って日本はどうでしょうか?一日に何十回も地面が揺れる国です。そして今日にでも「巨大地震」が起きておかしくない国です。悠長なことは言っていられれない「はず」の国なのです。ドイツと違って日本は「今この瞬間に」でもすべての原発を廃止「すべき」国なのです。
そのドイツに、これほど教えられることが多いというのは、ひょっとして日本人はあのヒトラーが言うとおり「劣等民族」なのではないか、とふと思ったりしてしまいます。
<たかしちゃん語録>
http://takashichan.seesaa.net/article/105501961.html
ソーラーでも風でも、日本が原子力にかまけている間に、技術はどんどんドイツに遅れをとっています。世界に輸出すべきソーラー技術がもう日本には既に無い。寂しい現実です。
ただ、群馬大教授の作成した「汚染地図」を見ると、予想を遥か超える汚染が日本列島に広がっているのが分かる。
See) 早川由紀夫の火山ブログ
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-397.html
先日も、静岡のお茶から基準を超える放射能が検出されて、輸入禁止になったことから推測しても、上記の地図以上に汚染が広がっていることが推測できる。
原発を推進しているのは、巨大な利権があるから。
つまり、税金のピンハネをする旨みが、自然エネルギーなどの小規模発電では無くなってしまうから。
欧米のように「電力の自由化」をすれば、原発のような効率の悪いエネルギーに頼る体制は作れなくなる。
これについては、YouTube にアップされている、以下の動画を見れば分かりやすい。
「経産省現役官僚が緊急提言! 原発事故による賠償問題について」
http://www.youtube.com/watch?v=F2RnT09PfOA
このブログでも批判された「武田邦彦」に毒されている人があまりにも多いと感じる。
本屋で『偽善エネルギー』を立ち読みし、あまりにも内容が嘘だらけ、酷過ぎるので、即行、Amazon のレビューに批判的な記事を投稿したら、あっさり削除されてしまった。
この本は、反原発を唱える前の本であり、内容が原発推進に満ちていて、原発以外のエネルギーを批判している本なんだけど、それに気づいている人が、あまりにも少ない。
(ホームページアドレスにリンクしたけど) Amazon の『偽善エネルギー』で、原発事故以降に投稿されたレビューを読んでみてちょ。
この本だけでなく、彼の著作のレビューやコメントには、彼を擁護する人、さらには彼の信者と思える人が投稿していて、読んでいて嫌になる。
こういう人の「参考にならない」というレビュー評価で、批判的なレビューやコメントが削除されているんでしょうね。
>世の中には反省を「省略」して「にわか反原発」に転ずる輩の如何に多いことか。武田邦彦を見れば、そのことがよく分かるはずだ。
たかしさんの以前の書き込みです。
武田邦彦がどういう人間か、ここの常連なら「イマサラ」です。