2011年05月11日

東電の株主諸君、ご愁傷さま(笑)

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さて、東電の放射能汚染事故から早、丸二ヶ月になろうとしている。これまで色々と書いてきたし、これからも書くと思うが、余りに思うことが多すぎて、最近疲れてきた感じである。そこで今日は、とりとめもないことを書いてみようと思う。

思えば、世界の国々の日本への評価が「気の毒な被災国」から「環境テロ国家」に変わったのは、全世界に断りもなく(尤もアメリカだけには知らせていた、という噂もあるが)、高濃度放射性物質を、海洋に垂れ流したことによる。「おがくず」「新聞紙」「紙おむつ」「バスクリン」「猫の砂」・・・ありとあらゆる「ローテク」を駆使した挙句に埒開かず、大量の放射性物質を人類共有の財産である「海」に、平気で放出した東京電力と日本政府。今後、全世界から請求される「損害賠償」がどれほどのものになるか?戦争の補償は何とか免れた日本であるが、今度はそうも行かないだろう。「中国や北朝鮮の原発事故が心配だ(技術が未熟なので)」などと常日頃、隣国を「揶揄」し、馬鹿にしてきた御用学者共(森本敏がその筆頭格)は、相も変わらずマスコミに出続けている。自分の行なった「非礼」を詫びる気配すらも無しに。尤も森本先生、以前より露出は減ったような気もするが(笑)。

戦後70年にわたって我々は「北方領土」の返還をロシアに求めてきたわけだが、あのちっぽけな島々の何倍もの広さの「国土」を、考えてみると今回、東京電力のお陰で「一瞬にして」失ってしまったわけである。一企業の犯罪行為によって、北方領土同様「日本人の住めない土地」を、一瞬にして既存の「領土内」にも作られてしまった。なんという皮肉だろうか。

そのような犯罪を犯した東京電力が、どのような行動に出るかを、以下のエントリーで「予言」した。
<東京電力に「責任」は問えない>2011年04月14日
http://takashichan.seesaa.net/article/195859019.html

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まず第一に、東京電力は原子力損害賠償法の上記の条項を「盾」に、損害賠償責任を「放棄」する可能性がある。東京電力が原発事故の当初から主張している「想定外の巨大地震」とは、この条項を意識して発している、いわば「信号」「布石」とみることができる。民主党政府は一応、この「例外規定」は、今回は適用しない方針としているが、奴らのことだから、いつなんどき「適用」に転ずるかは、知れたものではない。そうなれば、東京電力の責任は全く問われず、何の補償義務も生じず、すべての補償は「国民の税金」から出されることになる。「原子力推進派」は、今回の地震・津波を「想定外」であり「予想し得なかった」と、一貫して言っている。ところが、何のことはない原子力損害賠償法では「ちゃっかり想定」していたことになる。こういう法律を通すために、電力会社どもは「御用政治家」を国会に送り込み、金を与えて肥え太らせてきたわけだ。
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それから二週間経った4月28日、案の定、私の「予言」どおり、東電の清水正孝社長は「原子力損害賠償法の免責もあり得る」と言い出した。まったく分り易い悪党だと思う(笑)。さて、東電の賠償責任については植草一秀氏が、明快に述べている。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-72ad.html

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損害賠償は、まず、東電の資金を用いるべきで、債務超過になる場合には、株式価値をゼロにして全株政府保有にすればよい。一時国有化措置である。そのうえで、企業を再建すればよいのだ。電力の安定供給に支障が出ないように対応すれば、何の問題もない。 
 株主が責任を負うのは当然のことであり、民間企業の社債である限り、経営が破たんすれば、債券の額面全額の償還が不可能になる場合は当然生じる。 
 東電社債に政府保証が付いていたのなら、政府が補償しなければならないが、政府保証のない民間企業の債券であるなら、投資リスクは存在しており、そのリスクは投資家が認識していなければならないものである。
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まったくこれ以上でもこれ以下でもない明快な説明である。また、次の植草氏の主張も、至極もっともだと思う。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-e62e.html

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公共性の観点から電力の安定供給を図ることと、東京電力の責任を適正に問うこととはまったく別の問題である。つまり、東電の責任を適正に問い、他方で、電力の安定供給を実現することは十分可能なのだ。
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さらに田中優氏が主張するように、政府が負担する被害補償を、東京電力への「貸付」と見做し、その担保として「送電設備」を国有化する、というのも誠に秀逸なアイデアではないかと思うが、皆さん如何であろうか?
http://www.youtube.com/watch?v=KhEEwZ7xKyE

「新自由主義者の旗手」河野太郎氏も、植草一秀氏同様の主張をしている。
http://www.taro.org/2011/05/post-1002.php

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まず、経営陣は総退陣。次に株主の責任が問われて、株式は100%減資。このときに株主がかわいそうだとかいろいろ言うかもしれないが、感情論ではない。株主の責任が問われずに、年金で慎ましく暮らしている方々の電気代をその分上げるなどというのは、資本主義を逸脱している。株式を買った人は、リスクもあわせて買っているのだ。
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株主の中には、老後の蓄えで利殖をと考えた個人株主もいるだろう。しかし、資本主義のルールは厳格に守らなければならない。つまり「東電の株を買ったのが運の尽き」と、諦めるしかないのである。ひとたび事故が起これば破滅を招く「原子力」に投資をしてきた、そのことを「反省」するしかない。目先の利く期間投資家や外人株主が「空売り」でぼろ儲けをしたことはもちろん批判されてしかるべきだが、それとて「法律違反」を犯したわけではない。「資本主義国」である日本の法律は、そのように出来ているのだ。過去に「公的資金」で救われた大銀行があることとはもちろん矛盾する話ではあるが、それはそのような政府、そのような議員を選んできたあなた達に責任があるのだ。それはあなた達が大好きな「自己責任」ということである。東電の株主諸君、ご愁傷さま(笑)。

posted by takashi at 14:18 | Comment(5) | TrackBack(4) | 時事、政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
【金李朴】

日本の高速道路は世界一地震に強いと聞かされていました。しかし、阪神淡路大震災であっけなく崩れ落ちた高速道路を目の当たりにしました。
日本の原発は世界一安全で耐震戦略も万全と聞かされていました。しかし、今回の震災であっさりと裏切られました。
日本の食物は世界一安全な筈でした。しかし、牛肉の細菌汚染で死者が複数出ました。

「日本の技術は世界一」と日本人は胸を張ります。しかし、これは単なる神話に過ぎないのかも知れない。そんな思いを最近強くしています。
Posted by 金李朴 at 2011年05月11日 19:46
金李朴さん、お久しぶりです。

>日本の食物は世界一安全な筈でした。しかし、牛肉の細菌汚染で死者が複数出ました。

そうですが、もうそれ以前に「放射能」で、地に落ちていますよ(笑)。で、放射能汚染から「目を逸らす」目的で、マスコミは必要以上に「えびすや」社長を悪人に仕立てようとしている(笑)。私には東電の清水のほうが、テラ万倍も悪人に見えますがね(笑)。
Posted by たかし at 2011年05月11日 20:55
植草氏の出した、原子力損害賠償紛争審査会のメンバーリストを拝見したが、別に権威主義ではないけれど、東大、京大、東工大の原子力分野の研究者一人もいないのはどういう了見ですかね。
原子力の紛争なのに。。。

日本の食品安全は世界一、そんな風に考えていた時期、私にもありました(笑)。汚染された食品が風評被害と誤魔化され出荷されるまでだが。
Posted by りょう at 2011年05月12日 00:32
 「損害賠償はまず東電の資金を用いるべきで、債務超過になる場合には、株式価値をゼロにして全株政府保有にすればいい」
 まったくおっしゃる通りだと思います。当たり前のことですが、それが通らない社会になってきているような気もします。

 新自由主義なるものが台頭して以来、物を言う株主とかで、会社は経営者のものでも従業員のものでもない、株主のものだ。従業員の給料は最低のところまで下げて利益が出れば全部株主への配当に充てろ、なんてことが言われて、従業員への利益配分はどんどん下がり、株主への配分ばかりが増やされてきました。
 会社が株主のものであれば、破産した時の責任も当然負うべきなのですが、ささやかな老後の蓄えとか、庶民の投資だからと言い出して、会社の持ち主であった株主が、突然社会的弱者になってしまって保護されるべき対象となる、これが今の日本の社会の現実かも知れません。
 老後の蓄えで東電株を持っていた人も確かに居るでしょう、しかしそういう人たちを看板にして、大量に東電株を持っている金融機関や生保、取引先の大企業が損をしないように、税金で救済して、電気代を値上げする方向に持っていく、そういうかたちになりそうに思えてなりません。
 
Posted by たかひろ at 2011年05月12日 16:17
新自由主義は体裁を整えてあるだけの単なるジャイアニズムにしか思えない。なんであんなものが保守や右翼と相性いいのかわからない。
経済強者を優遇しなきゃ海外に逃げるってんなら、どうぞ遠慮なく出ていってくれて構わない。むしろせいせいする。
Posted by kgofboston at 2011年05月12日 16:45
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