2011年04月03日

気象学会、放射性物質予測「公表自粛」を

20110315_140337.gif




サンデーフロントラインで、良いルポルタージュをやっていた。福島原発で復旧に当たっている作業員のルポである。東電の下請け会社社長Bさんのセリフ・・・「原子力はルールを守っていれば安心だと、地元の人々に言ってきた。」「じいちゃんばあちゃんに、原発は大丈夫かと訊かれて、危なかったら俺は、原発から3キロのところには住んでないよ、って答えてきた。」「こうして先祖を裏切り、地元の住民を裏切り、社員を裏切り、日本国中の人を裏切ってきた。」「原発のヒーローになんかなりたくない。」

事故以降始めて「加害者」からの、マトモな反省の言葉を聞いた気がする。

----------------------------------------------------------------------------------------
放射性物質予測、公表自粛を 気象学会要請に戸惑う会員2011年4月2日19時25分(asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020166.html
 
 福島第一原発の事故を受け、日本気象学会が会員の研究者らに、大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう求める通知を出していたことが分かった。自由な研究活動や、重要な防災情報の発信を妨げる恐れがあり、波紋が広がっている。  文書は3月18日付で、学会ホームページに掲載した。新野宏理事長(東京大教授)名で「学会の関係者が不確実性を伴う情報を提供することは、徒(いたずら)に国の防災対策に関する情報を混乱させる」「防災対策の基本は、信頼できる単一の情報に基づいて行動すること」などと書かれている。
 新野さんによると、事故発生後、大気中の放射性物質の広がりをコンピューターで解析して予測しようとする動きが会員の間で広まったことを危惧し、文書を出した。
 情報公開を抑える文書には不満も広まり、ネット上では「学者の言葉ではない」「時代錯誤」などとする批判が相次いだ。「研究をやめないといけないのか」など、会員からの問い合わせを受けた新野さんは「研究は大切だが、放射性物質の拡散に特化して作った予測方法ではない。社会的影響もあるので、政府が出すべきだと思う」と話す。
 だが、今回の原発事故では、原子力安全委員会によるSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)の試算の発表は遅すぎた。震災発生から10日以上たった23日に発表したときには、国民に不安が広まっていた。
 気象学会員でもある山形俊男東京大理学部長は「学問は自由なもの。文書を見たときは、少し怖い感じがした」と話す。「ただ、国民の不安をあおるのもよくない。英知を集めて研究し、政府に対しても適切に助言をするべきだ」

 火山防災に携わってきた小山真人静岡大教授は、かつて雲仙岳の噴火で火砕流の危険を伝えることに失敗した経験をふまえ、「通知は『パニック神話』に侵されている。住民は複数の情報を得て、初めて安心したり、避難行動をしたりする。トップが情報統制を命じるのは、学会の自殺宣言に等しい」と話している。(鈴木彩子、木村俊介)
----------------------------------------------------------------------------------------

要するに日本気象学会理事長も、電力会社からカネを握らされているということだろう。

----------------------------------------------------------------------------------------
<通達原文>
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj/others/News/message_110318.pdf
2011年3月18日
日本気象学会会員各位
日本気象学会理事長
新野 宏
このたび発生した東北地方太平洋沖地震とこれに伴う津波では東北地方・関東地方に未曾有の被害が生じました。これらの地域にお住まいの皆様のご無事をお祈り申し上げますと共に、被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。また、困難な状況の中、救援・復旧に総力を注がれている皆様に深い敬意を表します。
今回の災害は、私達に2つの重大な教訓を与えたと思います。第一は、災害は想定を越えた激しい現象によって起きること、第二は日頃から十分な防災訓練や対策を行っていても現実の現象の前では十分機能しないことがあることです。二度とこのような災害を繰り返さない防災体制や防災教育をいかに構築していくかは、当学会が関わる多様な気象災害においても共通の課題であり、私達は今一層真剣に取り組んでいく必要があると思います。
今回の地震災害の影響は、今後も長く継続していきます。避難所に避難されている方々への支援、被災地の復興の支援には、すべての国民と共に力を尽くしていく必要があります。
一方、この地震に伴い福島第一原子力発電所の事故が発生し、放射性物質の拡散が懸念されています。大気拡散は、気象学・大気科学の1つの重要な研究課題であり、当学会にもこの課題に関する業務や研究をされている会員が多数所属されています。しかしながら、放射性物質の拡散は、防災対策と密接に関わる問題であり、適切な気象観測・予測データの使用はもとより、放射性物質特有の複雑な物理・化学過程、とりわけ拡散源の正確な情報を考慮しなければ信頼できる予測は容易ではありません。今回の未曾有の原子力災害に関しては、政府の災害対策本部の指揮・命令のもと、国を挙げてその対策に当たっているところであり、当学会の気象学・大気科学の関係者が不確実性を伴う情報を提供、あるいは不用意に一般に伝わりかねない手段で交換することは、徒に国の防災対策に関する情報等を混乱させることになりかねません。放射線の影響予測については、国の原子力防災対策の中で、文部科学省等が信頼できる予測システムを整備しており、その予測に基づいて適切な防災情報が提供されることになっています。防災対策の基本は、信頼できる単一の情報を提供し、その情報に基づいて行動することです。会員の皆様はこの点を念頭において適切に対応されるようにお願いしたいと思います。
----------------------------------------------------------------------------------------

posted by takashi at 10:10 | Comment(5) | TrackBack(1) | 時事、政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これは酷い。科学に携わる末席の人間として心底、幻滅しました。これじゃ、学会として価値がないと言われても仕方ない。

情報が不確実なら、出す前に査読すればいいじゃないか!
なんで政府発表なら正しいといえるのだ!

科学の基本的営みを否定するなら、科学者なんて名乗るんじゃねえ、と罵声を浴びせたくなります。
Posted by kgofboston at 2011年04月03日 18:36
蛇足ですが、こういった学術界のお偉いさんは主に国(文科省)から研究費をもらって研究しています。(民間資金もないとは言いませんが)
国から圧力があったのかもしれませんし、今後の研究費獲得に影響すると考えたのかもしれません。

どちらにせよ、情けないの一言に尽きます。
これに逆らう科学者が出てくることを期待します。
Posted by kgofboston at 2011年04月03日 19:01
>kgofbostonさん
>蛇足ですが、こういった学術界のお偉いさんは主に国(文科省)から研究費をもらって研究しています。(民間資金もないとは言いませんが)

 どうもそうらしいですね。以下の記事にもありました。
 そうは言っても、御用学者というのは都市伝説らしく、そういう言葉を使うとデマゴーグで陰謀論者と言われてしまいますが。
 なんといいますか、テレビ、新聞を中心にマスコミは安全をいう学者をだけを出して大丈夫を連呼させていますが、全体主義的で気持が悪いです。異論は許さないような空気があります。
 安全ではないと反論している学者も少数ながらいるにはいますが、テレビには出てきません。(例えば琉球大学名誉教授、物性物理学の矢ケ崎克馬氏や、神戸大名誉教授、地震学者の石橋克彦氏等)

http://www.insightnow.jp/article/6430
東電のカネに汚染した東大に騙されるな!
純丘曜彰 教授
Posted by 谷 at 2011年04月03日 19:41
谷さん、

>東大だけではない。東工大や慶応義塾大学など、全国のあちこちの大学の大学院に、東京電力は現ナマをばらまいている。これらの東京電力のカネの黒い本性は、2002年の長崎大学大学院で暴露された。そもそも東京電力が、自分の管区とはほど遠い長崎大学に手を伸ばしたことからも、手口の異様さがわかるだろう。

私の一覧表と見事に一致していますね(笑)。
Posted by たかし at 2011年04月03日 20:02
>私の一覧表と見事に一致していますね(笑)。

件の純丘曜彰教授と同じご指摘でしたね。さすがです。最近発表された新聞の世論調査にしてもそうですが、マスコミは原発推進に躍起なのでこのブログの役割はさらに重要になると思います
Posted by 谷 at 2011年04月04日 21:38
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。プロキシ経由は削除されます。

この記事へのトラックバック

集団ヒステリー
Excerpt:  子供の頃から不思議だったことがある.それは太平洋戦争.あの愚かな戦争に向けて,なぜ日本人は雪崩をうって突進したのか?という疑問である.日本人の多くが,あの戦争を支持し...
Weblog: 高知に自然史博物館を
Tracked: 2011-04-04 18:16
このページのトップヘ