先日、色んなチャンネルをあちこち見たりしながら、たまたま「学べるニュース」にチャンネルを合わせたら、中国には言論の自由がないという「お馴染みの話題」をやっていた。番組の中で池上彰氏が「中国で一人っ子政策を批判したら牢屋に入れられる」というようなことを言っていた。ところが、その同じ番組の後段では「中国の夫婦には子どもが一人しかいないので、甘やかされて育てられている。そんなスポイルされた子供(小皇帝と言うのだそうだ)が、兵役に就いたとき、厳しい訓練に耐えられなくなって親に泣きつくことがある。その時、中国の親は軍に猛烈に抗議する」のだという。つまり、現代中国には「モンスターペアレンツ」が多いのだそうだ。そんなモヤシのような兵士の多い「人民解放軍」は、軍隊としてはさほど強くはないだろう、というのがどうやら彼の言いたいことであるらしい。でもこれって変じゃない?政府の「一人っ子政策」を批判したら、すぐに国民を牢屋に入れるような国が、そもそも軍隊に楯突くモンスターペアレンツの存在を認めるだろうか?モンスターペアレンツが「抗議」に言っただけで「牢屋」に入れる、と思うのだが如何だろうか?池上彰氏の「解説」には、この類の「ボロ」が実に多い。ちなみに、この点を突っついた出演者はもちろん皆無。
池上彰氏の「ニュース解説」は、確かにわかり易いと思う。特に経済の話では、いわゆる「今さら聞けない」ような事柄を、実に平易に噛み砕いて説明してくれるので、私のようなお茶の間の「凡人」にとっては誠にありがたい。
しかし彼の「解説」には問題も多い。例えば経済の話でも「将来の社会福祉負担に備えて、消費税は税率アップは已む無し」「企業が外国に出ていくのは日本の法人税が高すぎるから」といった使い古された「子供だましのデマ」を平然と(恥ずかしげもなく)言ってのけるようなところだ。スウェーデンの福祉社会を一応「評価」はしてみせるが、結局日本の風土には馴染まない、というようなことも平気で言う。保守主義者の代弁のような発言である。
そんな池上氏の「解説」で、もっとも問題なのは「外交」に関して、である。冒頭に挙げた中国に対する「解説」を読むまでもなく、彼の精神の奥底には「中国嫌い」「中国蔑視」が垣間見られるのだ。また、これも根っこは同じなのだが、アメリカ追随・日米安保過信というのもある。基本的に池上彰氏の「解説」の根っこには、自民党・保守主義の思想が大きく横たわっていると言える。
先日も尖閣諸島問題を取り上げていたが(冒頭の「一人っ子政策」の話もその中でされたものである)今後中国は日本の領海内で航空母艦を自由に航行させる計画であるだの、いずれ中国は沖縄本島も自国の領土にす計画だ、だのと、何の根拠もなく平然と「解説」するのだ。いずれ中国は尖閣諸島を奪うために、日本に攻めて来るだろう。その時のために、沖縄の自衛隊は増強しなければならない。日米安保条約を強化して、日米協力して中国に対抗しなければならない、などと危険極まりない「解説」を、あのやんわりしたムードのしゃべりでサラッと言ってのける。これには家庭の主婦がコロッと騙されるに違いない。
最後に。池上彰は単に「番組を干されないため」に、このような論調を続けているのだろうか?恐らくそれもあるに違いない。彼も、マスコミ界にゴロゴロしている「男芸者」の一人であることは間違いないだろう。しかしそれ以前に、彼には右翼的・保守的思想がバックボーンとしてかなり強いのではないか、と私は思っている。万一政界に出た場合、保守陣営が利用するであろう危険な人物である。
【時事、政治の最新記事】
- 我が総統閣下のもとに、 新たなる大..
- 一億総火の玉となつて 大東亜の積極的平..
- 朝日の読者てのはユーモアが分からないらし..
- 面倒くさいから4月からの報道ステーション..
- 古舘よ!生き恥をさらすな!報ステを辞めろ..
- 「当然、放送法という法律があるので、まず..
- 安倍政権の「移民政策」に物申す。
- 野間易通氏の卑怯な振る舞い
- PC遠隔操作事件の顛末について
- 漫画「美味しんぼ」の鼻血騒動
- 何故、ベトナム原発輸出を急ぐのか?
- 「南京虐殺否定を無断加筆」事件
- 「特攻」が世界記憶遺産に?
- 竹中復活!
- 西ドイツのワイツゼッカー大統領と日本のこ..
- 「反共」ということ
- 鎌田慧氏、広瀬隆氏について
- 筆舌に尽くしがたい馬鹿首相=安倍晋三
- 安倍晋三の日米共同記者会見
- 韓国フェリー沈没事故とネトウヨ
池上彰氏は、さしずめ「テレウヨ」(テレビを利用して右翼思想を配信するもの)
予備軍?という事になりますね!いやテレウヨそのもの?
村野瀬玲奈さんのブログから訪問させていただきました。
> これには家庭の主婦がコロッと騙されるに違いない。
いえ、私は(絶対に、とまでは言いませんが)騙されない自信ありますよ〜。
「分かりやすい」にもいろいろありますが、
「池上彰的分かりやすさ」は要注意、だと思っています。
「騙されない主婦」がいることは、私も良く分かっております。ゆうこさんのような反発を予想しながらも、こういう「差別的」なことを書いてしまうのが私の悪い癖です(笑)。そんな私のことを、鬼の首を取ったように「女性蔑視だ!」と騒ぎ立てる人たちのこともよく知っています。しかし、日本の平均的な主婦は、選挙の時に「握手をしてくれた」という理由だけでその候補者に投票する、というのも残念ながら現実なのです。この手の言い回しは私の常套手段ですので、嫌いな方は耐えられないかもしれませんね。それもこれも家庭の主婦たちにもっと政治的に「自覚」して欲しい、という気持ちの裏返しであると、ご理解ください。
さて、私は新聞の売り上げも関係ないし、せいぜい揚げ足取りのネトウヨが茶々を入れてくるだけですから、平気でこういうことを書くわけです。それもこれも家庭の主婦に「目覚めて」もらいたいからなのです。でもほとんど絶望ですけど(笑)。ゆうこさんは彼女たちとは違いますよ、もちろん。
学べるニュース?で賃金が下がる事はスルーしながら「デフレは物価が下がって良い事」だと解説してたり中国に対してはクソウヨぶりを発揮するトンデモ文化人(笑)ですよ。
何の番組だったか失念しましたが、
池上氏が
アメリカの次期大統領候補となるであろう
共和党のペイリン女史に今から注目している
と述べているのを見ました(正確には何と言っていたか忘れましたが、そういった要旨だったことは間違い有りません)。
管理人様の最後の一文、誠に持って同感です。
とても丁寧に私にお返事を書いて下さり、恐縮です。ありがとうございます。
> ゆうこさんのような反発を予想しながらも、こういう「差別的」なことを書いてしまうのが私の悪い癖です(笑)
いえいえ、”悪い癖”なんて、そんな。(笑)
私は実は、たかしさんはおそらくこういう「反発」を予想しながら書かれたのだろうと思いながら、コメントさせていただきました。
> 私自身はこの中曽根の「暴言」について、こう思ったわけです。「うまいことを言うもんだな」と・・・。いや実際、家庭の主婦の「馬鹿さ加減」はその後「石原都政」を誕生させ「小泉政権」を誕生させたわけなんです。同じように昨今は大阪の橋下や名古屋の河村を生み出した。これらの連中を生み出したのは「女性票」であることはすでに証明されています。
これについては、たかしさんのおっしゃることは、私はとても理解できます。
2005年の衆院選では小泉自民党が圧勝しましたが、小泉さんが演説に現れると、まるで韓国の俳優ペ・ヨンジュンさんでも来たかのように「純ちゃ〜ん!」と、黄色い声を張り上げる中高年女性には、あきれ果てました。
(純ちゃんの「Yシャツ腕まくり」にでも萌えていたのでしょうか・・)
(今年の夏の選挙は純ちゃんの息子の「進ちゃま」でしたね・・)
大阪の橋下知事や名古屋の河村さんは「俺について来い」タイプでセクシーで(?)(おえ)、女性に人気があるのでしょうか。私には理解できません。石原都知事も同じですね。
私は、日本人の多くの人に対し、「顔が見えない」というイメージを持っています。
考えをはっきり言わないというか、その割りに空気がある一方向に向かうとダーッと群れでそっちに行く、みたいな。
(未だに怖いと思うのが、「イラク日本人人質」へのバッシングです。)
(もう一つ、”死刑制度存続希望派”が8割を越えているということです。マスコミが「残りの約2割はどう思っているか」に踏み込んで調査・報道することには消極的で、「死刑制度存続派が8割」と伝える方が多く、国民はそれに引きずられているのでは?と思ってしまいます。)
すみません、長文失礼いたしました。
池上氏のような人材がわれわれの味方にいないことを、いま私は猛烈に嫉妬しています。
池上氏の出ている番組はまさにその機会と前向きにとらえるのもいい手かもしれません。
池上彰批判には同感です。
元NHKの人間で言動に釣られないように
発言の一語一句に最も注意しなければならない
人物と見なしています。
何を語り、省略しているかを見抜くのは誰に
対してもしなければなりませんが。
彼以外のOBは、それぞれにということでご了承
をと思います。
上杉隆とか辛坊治郎も著書を読めば断罪せざるを得ない対象になり得るかと思います。
どちらからも煙たがれるようになって、池上氏は本物になりましたね。
「右方面の人たち」が池上彰を批判しているブログなどあったらご紹介願えますか?
沿えてなければごめんなさい。
deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-3945.html
とりあえずここに接続してみて下さい。
>沿えてなければごめんなさい。
いやいや充分沿えてます(笑)。
トンデモ愛国者で核武装論者のcoffeeのブログですね。
そのようなお話は初めて伺いました。
やっぱりいくらわかりやすいからといって池上の解説で分かった気になるのは危険ですね。
むしろ誤った認識を植え付けられかねないですね。そうなるくらいならなにも勉強しないほうがましかもしれませんね。
同感です。
池上彰は早く過去の人になってほしいです。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110106-00000008-ykf-ent
をみれば池上ブームの終わりの始まりであることがわかります。
細木数子や勝谷誠彦ほど毒舌じゃないからフアンも多いのでしょうがそれだけに危険性も高い池上が消える日はちかいでしょう。
たぶん2012年末には池上彰は忘れ去られ池上といえば遼一と答える人が大勢を占めるでしょう。
さて、どうして養老毅を話に引っ張り出してきたかというと、彼のベストセラーのある言葉を思い出したから。
そう、わかりやすさへの批判です。
池上彰って、養老毅風に見たら『わかりやすさの活け作り』ですよね?私は養老も嫌いだが、わかりやすさに安住することへの批判には一理も二理もあるとは評価している。てめえで苦労しながら問題に当たる、様々な立場の話を聞いたり読んでみたりして考えていくことは、主義主張以前のことだし、そうした努力が、巷間に蔓延る俗説や通念への『間合い』作りにも役立つものと思っている。そんな点からも、安直なわかりやすさを売りにした者が流行る様には、少なからず抵抗感すら覚える。安直なわかりやすさは、せいぜい料理のレシピくらいでよいと書けば、料理研究家などから叱られるかもだが(笑)。
しかし、養老の指摘に感心した輩が池上彰にはまるってのは、理屈の上ではあり得ないとは思うんだけと(笑)…実際は相当に重複しているのだろう。
なんというか、桶の底に穴を開けながら必死に蛇口からジャージャー水をだして貯めようとしているような?
池上彰なんざ、バカかもしれないと多少のコンプレックスを持っているが、だからといって若干の努力もしない奴らや、雑学クイズなどを見て、世の中に目覚めた?奴らをカモっているだけ。
昔、佐高さんが『元NHKという中立性、公平感』
を相手に抱かせていると、遠巻きに批判していたが、この頃は、かの朝日の件にしても、何だかなあ〜って感じですな。
文春や新潮みたいな血に飢えた狂犬さながらな極右メディアから広告代とるのに慣れっこなくせに
池上彰ごときの薄味な批評コラムを拒否した朝日も、相当なくるくるパーだと思う。
でも、このタイミングで極右メディアを狂喜乱舞させるアクションをした池上彰?
こいつにはただならぬものを感じますな。