2010年04月18日

「悪文」について

「悪文」の弊害について書こうと思う。

まず私の「悪文」の定義を申し上げる。「悪文」とは「一読して意味の分からない文章」である。この定義から言うとほとんどの法律条文なども「悪文」と言うことになりそうである。

「悪文」とは「罪深い」ものである。それは何故か?読むものに「劣等感」を抱かせるからである。つまり、「悪文」を読んだほとんどの人は「この文章が理解出来ないのは自分のせい、自分の頭が悪いからだ」と思ってしまうからだ。このような「悪文被害者」は、今すぐ意識を変えてもらいたい。頭が悪いのはあなたではない「悪文」を書いた側である、と。このような「自責の念」を抱かせる「悪文」とは実に罪深いものなのだ。

「文章」とは、いちど読んで「理解」出来るものでなくてはならない。一度読んで理解できない文章は、文章そのものに欠陥がある。それがもし「翻訳文」であれば「誤訳」の疑いが極めて高い。(誤訳というものは)ほとんどの場合、日本語としての文法上の誤りがあるものだ。主部と述部のねじれ、修飾法の間違いなどである。「センテンスが長い」というのも、よくある「悪文」のパターンだ。例えば文庫本で1ページに「。」(句読点)が一個しかない、などいうのがそれに当たる(小説家の吉田健一)。語彙の選択の稚拙さ、というのもある。これらが相乗的に影響しあっているのが、世の中にはびこる「悪文」の実態である。もちろん文法上だけではなく、その文章の「論旨」そのものが間違っている場合もあるが、それは「悪文」の「要素」ではない。だから「しょうもない右翼思想」を「良文」で書いたものもありうるのだ。

「悪文」を読んではいけない。と同時に「悪文」を書いてはいけない。ここでひとつ「悪文」を書かないためにはどうしたら良いかズバリお教えしよう。本多勝一著の「日本語の作文技術」「続日本語の作文技術」を読むことである。読んで、書かれていることを「実践」することである。ただそれだけであなたは、明日から「悪文」を書かなくて済むことになるであろう。

さて、では私が出会った「悪文家」を何人か挙げてみる。程度の差はもちろんあるが、羅列すると山本七平、吉田健一、大江健三郎、川端康成、村上龍などなど。「悪文家」は「自称左翼」にも結構いる。いいだもも、小田実、黒田清などである(もちろん行なっている仕事とは「別物」)。

ここで極論させてもらうが、小説家は「悪文家」であっても一向にかまわないと思う。「悪文」が個性・特徴・持ち味、もっと言えば「ステータス」ですらあっても良い。それで別に弊害はない。小説とは言ってみれば「自閉症的」なものである。他人に理解させるために書かれていなくても良いのだ。読むか読まないかは読み手に任されている。「悪文」であってならないのは、ドキュメンタリー、ルポルタージュ、評論、批評、論文、報道文の類だ。これらが「悪文」であることの弊害は、小説の比ではない。

最後に「良文家」のご紹介。本多勝一、梅棹忠夫、浅見定雄。「一読して即座に理解出来る」文章がこれらの人たちの文章である。

<追記>

ちなみにshinystarの書くものは「悪文」ですらない。それは「馬鹿文」である。
posted by takashi at 11:08 | Comment(13) | TrackBack(1) | その他雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「文章が理解されないのは、読み手ではなく書き手に問題がある」これには全く同感です。物書きのプロではなくても「一読して即座に理解出来る文章」を書けるように、日頃から努めたいですね。仕事でも日常でも、文章技術はダイレクトに活かせることですし。
私ももっと精進しなければ。

少なくとも私個人は、あえて相手に劣等感を与えるためのレトリックであるとしても、次のような恥ずかしい「言い訳」は絶対に吐きたくない(苦笑)
「お前は日本語が読めない」
「中学生程度の国語力があれば理解できるはず」
Posted by 不勉強 at 2010年04月18日 12:37
 私は自分なりにわかりやすい文章を書くよう努力しています。

 評論を書いている人も、キチンとそれなりに読書をしてきた人なのに、なぜあんなわけのわからない文章を書くのか理解できないですね。

 とすると、本人の内面の問題だということになりますか。
Posted by 奈良たかし at 2010年04月19日 16:55
奈良たかしさん、いらっしゃい。
「悪文家」の例に入れ忘れましたが「自称コラムニスト」の勝谷誠彦なども忘れがたい存在ですね。ネトウヨの「馬鹿文」については以下を御覧下さい。

<ネトウヨの文章について(その1)>
http://takashichan.seesaa.net/article/105890983.html
<ネトウヨの文章について(その2)>
http://takashichan.seesaa.net/article/105921892.html
<翻訳者募集>
http://takashichan.seesaa.net/article/123952493.html
Posted by たかし at 2010年04月19日 17:37
私はよくブログ主から悪文であると指摘される張本人ですが、私の文章観は少し違います。(shinystarの文章観に誰も興味ねーよ(藁、といつも通りうーさんあたりに言われてしまうかもしれませんが)

誰にでもわかる平易な文章というのは確かに読みやすく技量が必要なものでしょう。確かに良文と言えることに異論はなくうらやましい限りです。

一方で、難解な語彙や言い回しが多用されている文章が悪文か?その捉え方が私は違います。

まず、平易な文章というのはつまり語彙が少ない(限定的)ため、複雑なある事象を表現することが困難であるか、またはその事象を表現するために勢い文章が冗長になりがちです。無理やり平易な文章で短文で表せば、その事象を的確に伝えることは困難でしょう。

難解な語彙や言い回しというのは、難解であることが目的ではありません。「難解=日常生活であまり使われない語彙」ですから、裏返せば「日常生活では使われないが語彙だが、その事象を表すには適切な語彙」としての利便性があるため作家が採用している場合が多いのです。

哲学用語などはその代表例でしょう。例えば「アンビバレントな感情」と言えば済むところ、"アンビバレント"という難解な(?)用語を敢えて避けて表現すれば、「好きという思いと嫌いという思いが同居した複雑な感情」とでも表現せざるを得ず、なんとも冗長な表現となってしまいます。

読者が初めて出会ったその"アンビバレント"という用語を辞書で引き、その後体得していれば、悪文とは思わないでしょう。ただ「自分が知らない用語がぎっしりつまった文章は悪文だ。」と決めつけてしまっただけに過ぎません。

つまり悪文とは読者の語彙レベルが、作者の語彙レベルと乖離がある状態を、読者側の価値基準から規定しただけの話で、読者の語彙レベル(読解レベル)が向上すれば解決する問題に思えます。

あと、不勉強さんが「中学生程度の国語力があれば理解できるはず」などの表現(私が使った表現だと思いますが)に不快感を示されていたのでこの場を借りて謝罪します。不快感を与えてすみません。

一方で、言い訳もさせて頂きますが、私はこの表現を馬鹿にする意味で言ったわけではありません。私の文章を「わけのわからない日本語」などと何人かの方から批判されたので、私自身が中学生(1〜3年生)、高校生(1〜3年生)対象に塾講師をしていた経験(国語を教えていました)があるものですから、「中学3年レベルの読解力があれば理解できるはずの文章だと思います」などと表現をした訳なのです。つまり文字通りのことです。

上記の文章も「まったく理解できない」と言われてしまうと私にはもう何も言えません。

※ちなみに大江健三郎、川端康成、村上龍などは、私にとっては好きな作家です。(またブログ主が望んでる流れを遮ってしまいましたか!?)
Posted by shinystar at 2010年04月19日 19:20
ノーベル文学賞受賞者でもある大江健三郎、川端康成を「悪文家」と言い捨てるたかし氏に、今のところ何故かノーベル文学賞が授与されていないのは、おそらく選考委員の怠慢によるものに違いないですね。
Posted by shinystar at 2010年04月20日 10:18
>>shinystar

>"アンビバレント"という難解な(?)用語を敢えて避けて表現すれば、「好きという思いと嫌いという思いが同居した複雑な感情」とでも表現せざるを得ず、なんとも冗長な表現となってしまいます。

「どっちつかず」「ないまぜの」「混じった」「入り乱れた」とかの簡潔な表現がいくらでもあるのに、全く思いつかない、無能な先天的悪文家shinystarであった(藁
Posted by うー at 2010年04月20日 10:44
>哲学用語などはその代表例でしょう。例えば「アンビバレントな感情」と言えば済むところ、

つーか「アンビバレント」のどこが哲学用語?(藁
Posted by うー at 2010年04月20日 10:45
>ノーベル文学賞受賞者でもある大江健三郎、川端康成を「悪文家」と言い捨てるたかし氏に、今のところ何故かノーベル文学賞が授与されていないのは、おそらく選考委員の怠慢によるものに違いないですね。

ノーベル文学賞をもらったら悪文でなくなるってか。オマエの頭はどこまで短絡的で権威主義なんだか(藁
Posted by うー at 2010年04月20日 10:48
>>うーさん

>先天的悪文家shinystarであった(藁

→これはつまり「shinystarの文章は、たかし氏よりむしろ大江健三郎や川端康成に近い。」という意味ですね?
Posted by shinystar at 2010年04月20日 10:55
【たかし】

shinystarさん、ワタシあなたの文章を「悪文」などといったことありましたっけ?「馬鹿文」といった覚えはあるのですけど・・・。ノーベル賞については以下のエントリーをご覧下さいね。

<無用の長物「ノーベル平和賞」と「ノーベル文学賞」>
http://takashichan.seesaa.net/article/107790078.html
Posted by たかし at 2010年04月20日 12:51
>>shinystar

>これはつまり「shinystarの文章は、たかし氏よりむしろ大江健三郎や川端康成に近い。」という意味ですね?

ハァ?
まさか「大江・川端は悪文家である→shinystarは悪文家である→ゆえに我は大江・川端並である」と言いたいのか?頭悪杉(藁
Posted by うー at 2010年04月20日 14:06
shinystarさん、
色んなスレッドに反応しなくて結構です。重要なスレッドだけにお書き込み願います。たかし
Posted by たかし at 2010年04月20日 15:17
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当スレッドのコメント欄は閉鎖します。たかし

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Posted by たかし at 2010年04月20日 15:27
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