2009年07月18日

民主党の右傾化と政界再編を予言する

CS放送「愛川欣也のパックインジャーナル」という番組が好きでよく見ている。しかし7月18日の放送で気になったことがある。司会者の愛川欣也をはじめ、コメンテーターのすべてが、東京都議選の結果について、まったく誤った認識でものを言っているのだ。曰く「今回の都議選で与野党が逆転した」。言うまでもなくこれは残念ながら、大間違いである。選挙前までは自公民が与党であった。選挙後も相変わらず自公民が与党なのである。野党は共産党一党のみなのだ。過去のデータを見ると自公の条例案の実に99.3パーセントまで民主党は「賛成」している。何のことはない、新銀行東京にも福祉切り捨てにも民主党はずーっと賛成して来たのだ。つまり都議選で民主党が過半数を取ろうが取るまいが都政は変わるわけがない。それよりも問題なのは共産党が議席を13から8へと大幅に減らしたということだ。共産党の得票率は決して低くはなかったのだが、事実上の小選挙区制のせいで民意よりはるかに少ない議席数となってしまった。その結果「自公民」与党が勢力を増してしまった。

さて総選挙だが、私は同じことが起きると思っている。民主党はおそらく単独で過半数を占めるだろう。考えてみると恐ろしいことである。確かに「政権交代」が良い作用をもたらす部分もあるかも知れない(たとえば前政権の不正の暴露)。だが、政権交代を待ち望んできた国民には大きな落とし穴があることを忘れてはいけない。政権交代は両刃の剣である。理想と現実、期待と実際は大きく違うことを知るべきである。「政権交代」に浮かれる日本の有権者は、民主党の「実体」をよく考えるべきだ。民主党の中の右翼勢力、たとえば旧民社党はかなりの数に上る(衆参で30人ほど)。他にも防衛問題などで自民党以上のタカ派を多数抱えているのが民主党の「実体」である。彼らは南京虐殺はなかったと言い、従軍慰安婦はいなかった(いたとしても職業だった)と言い、北朝鮮は先制攻撃すべきだと言い、スパイ防止法は成立させるべきだと言い、共謀罪は必要だと言い、さらには民主主義の根幹とも言える国会議員の定数削減までも主張している。

A.民主党が第一党となっても自民党との「共闘」は絶対になくならない。それは先に書いた東京都議会を見ればたちどころに理解出来ることだ。民主党が、共産党や社民党の法案よりも自民党の法案の方に多く賛成するであろうことは間違いない、賭けてもいい。事実上の「大連立」である。しかしそれだけではない、先に民主党には自民党以上のタカ派が多数いると書いた。事案によってはとんでもない法案が通る可能性もあるのだ(たとえば安全保障問題において)。これが私の考える「最悪の」シナリオ。

B.シナリオには他のパターンもある。民主党が二つに割れてその一方が自民党に移る。または新党を作って自民党と共闘する。これも事実上の「大連立」である。その結果、相変わらず金持ちが優遇されて貧乏人が虐げられる政治が行われ続ける。今、最大の社会問題と言える派遣労働者問題も結局「中途半端」なままで放り出され、大企業を喜ばせる結果となる。そしてたとえば「オランダモデル」と呼ばれる、労働者にとっての「理想の社会」は残念ながらこの日本には永遠にやって来ない。ヨーロッパ並みの社会福祉への夢は益々遠ざかる。

いずれのパターンも総選挙後、おそらく半年ほどで現実の悪夢となるであろう。それでも最初のうちは国民の希望に沿った法案を二つか三つくらい通すかも知れない。しかし、その後暫時本来の民主党の正体を現していくのだ。それもこれも民主党への「過剰な期待」で共産党、社民党が議席を減らしたあとの私のシュミレーションである。かくして日本の政治勢力は総選挙前の状態に、いやそれ以上の保守安定状態にめでたく復帰するというわけだ。

posted by takashi at 21:38 | Comment(4) | TrackBack(6) | 時事、政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
◆技術者等の非正規雇用を明確に禁止すべき

▼民主党は、マニフェスト案において、『原則として製造現場への派遣を禁止』とす
る一方で、『専門業務以外の派遣労働者は常用雇用』としています。『専門業務』の
『常用雇用』が除外され、かつ『専門業務』に技術者 (エンジニア) 等が含まれると
すれば、これは看過できない大きな問題です。
技術者 (エンジニア) 等の非正規雇用 (契約社員・派遣社員・個人請負等) を明確
に禁止しなければなりません。
改正前の労働者派遣法に関する「政令で定める業務」の内容は、技術の進展や社会
情勢の変化に対し時代遅れになっており、非正規雇用の対象業務を、全面的に見直す
必要があります。
また、派遣社員だけではなく、「契約社員」・「個人請負」等を含む非正規雇用を
対象としなければなりません。

【理由】

●技術者等の非正規雇用が『製造現場』の技能職に比べて、賃金・雇用・社会保険等
において有利だという誤解があるならば、そのようなことは全くない。長時間労働
など過酷な労働環境に置かれている割には低賃金の職種で、雇用が安定しているか
というと、『製造現場』の技能職以上に不安定である。

技術者等が『製造現場』の技能職に比べて過酷な労働環境に置かれているにもかか
わらず、非正規雇用として冷遇されるのであれば、技術職より技能職の方が雇用・
生活が安定して良いということになり、技術職の志望者が減少して人材を確保でき
なくなる。努力して技術を身につけるメリットがなくなるため、大学生の工学部・
理学部離れ、子供の理科離れが加速する。一方、技能職の志望者は増加し、技能職
の就職難が拡大する。

●技術者等の非正規雇用が容認されると、マニフェスト案『中小企業憲章』における
『次世代の人材育成』と、『中小企業の技術開発を促進する』ことが困難になる。
また、『技術や技能の継承を容易に』どころか、逆に困難になる。さらに、『環境
分野などの技術革新』、『環境技術の研究開発・実用化を進めること』、および、
『イノベーション等による新産業を育成』も困難になる。

頻繁に人員・職場が変わるような環境では、企業への帰属意識が希薄になるため、
技術の蓄積・継承を行おうとする精神的な動機が低下する。また、そのための工数
が物理的に必要になるため、さらに非効率になる。事業者は非正規労働者を安易に
調達することにより、社内教育を放棄して『次世代の人材育成』を行わないように
なる。技術職の魅力が低下して人材が集まらなくなるため、技術革新が鈍化、産業
が停滞する。結局、企業が技能職の雇用を持続することも困難になる。

●派遣社員だけではなく、「契約社員」・「個人請負」等を含む非正規雇用を対象と
しなければ、単に派遣社員が「契約社員」・「個人請負」等に切り替わるだけで、
雇用破壊の問題は解決しない。

企業は派遣社員を「契約社員」や「個人請負」等に切り替えて、1年や3年で次々
に契約を解除することになり、現状と大差ない。

▲上記の様に、『製造現場への派遣を禁止』するにもかかわらず、技術者等の非正規
雇用 (契約社員・派遣社員・個人請負等) を禁止しないのであれば、技能職より雇用
が不安定となった技術職の志望者が減少していきます。そして、技術開発・技術革新
や技術の継承が困難になるなどの要因が次第に蓄積し、企業の技術力は長期的に低下
していきます。その結果、企業が技能職の雇用を持続することも困難になります。

これを回避するには、改正前の労働者派遣法に関する「政令で定める業務」の内容
を見直して技術者等の非正規雇用を禁止し、むしろ技術者等の待遇を改善して、人材
を技術職に誘導することが必要です。これにより、技術者等は長期的に安心して技術
開発・技術革新に取り組むことに専念できるようになります。その成果として産業が
発展し、これにより技能職の雇用を持続することが可能になります。

もしも、以上のことが理解できないのであれば、管理職になる一歩手前のクラスの
労働者ら (財界人・経営者・役員・管理職ではないこと) に対し意識調査をするか、
または、その立場で考えられる雇用問題の研究者をブレーンに採用して、政策を立案
することが必要です。
Posted by pMailAgency at 2009年08月26日 16:12
◆雇用問題を重視する人は、情勢によっては社民 (または共産) に投票すべき

衆院選での投票先調査で、特に社民党が伸び悩んでいるようです。
自民・公明に愛想をつかした人が民主に流れるのは、結構なことです。
しかし、元々社民 (または共産) 支持の人が民主に流れるのは、場合によっては良いことではありません。

雇用問題を重視する人は、投票時に最新の情勢を判断し、比例区では
(1) 自民・公明に対し民主が確実に優勢でない場合は民主に投票し
(2) 自民・公明に対し民主が確実に優勢である場合は社民 (または共産) に投票した方がよいでしょう。

現実問題として、民主党の中には保守的な議員も多くいます。
連立を組む社民党議員が減少し、民主党が単独過半数を超えると、
民主党が保守化する懸念があります。

この点は要注意です。たとえば、
民主・社民・共産各党の本部・各都道府県支部・各衆議員候補・各参議員に対し、
技術者等の非正規雇用禁止を希望するメールを送ったところ、
社民党の都道府県支部の一つからは、次のような回答がありました。

> メール有り難うございました。
> 民主党のマニフェスト内容で「原則として製造現場・・・・派遣を禁止」についても、押し上げるのに大変でした。
> 民間大企業の労働組合は、多くは旧同盟系が主流なので、「製造現場への派遣の禁止」には、かなりの抵抗がありました。
> 社民党の踏ん張り抜きには出来なかった事項ですが、指摘された「技術者等の非正規雇用禁止」はかなりの協議が必要かと思います。
> 派遣労働そのものを禁止する状況に引き戻すには、専門業務以外はしっかりと派遣を禁止することをガードすることが、まず重要と思います。
> 政権交代は確実です。社民党は、雇用、平和で民主党のブレを引き戻し、闘いながら政権内でガンバルことが役割です。
> 今後とも、意見をメールして下さい。

これによれば、社民党の発言力が弱くなると、非正規雇用対策が後退する恐れがあると考えられます。
したがって、雇用問題を重視する人は、情勢によっては社民 (または共産) に投票すべきでしょう。
賢い有権者なら、戦略的に投票しましょう。

この件は特に強調していただきたいと思います。

以上、自民・公明に対し民主が圧倒的に優勢である場合に考慮すべき話です。
Posted by pMailAgency at 2009年08月26日 16:12
小沢一郎は核保有どころか、徴兵制導入を目指しているような気がします。

教育基本法改正の論議の際、小泉元首相・安倍元首相より右の教育基本法改正を主張した上、
国民投票法制定の議論の際、小沢一郎は「選挙権18歳」を押し通しました。
小沢一郎は、この年齢層を軽視している(例:高等学校第3学年の必修科目の未履修の救済に否定的)傾向があり、
憲法改正と「選挙権18歳」がセットのため、徴兵制導入の可能性が高いと思います。

一刻も早く、小沢一郎を議員辞職させるべきです。
Posted by 牧野弘幸 at 2010年08月29日 16:50
【たかし】

pMailAgencyさん、牧野弘幸さん、
このエントリー、自分で書いたものですが、予言の全てが当たっているのに我ながらびっくりです(苦笑)。まず差し迫った民主・自民の「共闘」で、議員定数削減が実施されるでしょう。ただでさえ民意の反映していない国会がますます「大政翼賛会」化していくでしょう。牧野さんがおっしゃる徴兵制導入も冗談では済まなくなる可能性がありますね、ほんと冗談抜きに。

{たかしの予言」シリーズもご覧ください。

<民主党が嫌なら日本から出て行け!>
http://takashichan.seesaa.net/article/126827922.html
<たかしの予言>
http://takashichan.seesaa.net/article/128917647.html
検証<たかしの予言>
http://takashichan.seesaa.net/article/136116327.html
検証<たかしの予言>その2
http://takashichan.seesaa.net/article/142008241.html
検証<たかしの予言>その3
http://takashichan.seesaa.net/article/152780673.html
Posted by たかし at 2010年08月29日 18:24
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