2008年09月03日

徴兵に とられる我が身 信じたくなし ひたすら頼るは 自衛隊さん 

徴兵制とネトウヨの心理について

徴兵に とられる我が身 信じたくなし ひたすら頼るは 自衛隊さん 

終戦後平和教育のために広島で編集された「原爆の子」という文集がある。全二巻で、第一巻目が小学生、第二巻目が中学生以上という構成であったように思う。少年少女たちが自らの原爆体験をつづった凄まじい内容の体験記である。
その「原爆の子」を私が読んだのはもう何十年も前のことだが、ある異様な印象が強烈に頭にこびりついている。当時から不思議でしようがなかったこと。それはその文集の中で、例外なく、全ての子供たちが、原子力を「礼讃」しているということだった。この心理構造は何なのだろう?私は自分の中で仮説を立ててみた。自分たちを生き地獄に落とした原爆。このあまりに救いようのない現実に子供たちは「救い」を求めたのではないか?原爆は自分たちを地獄に落とした。でも原子力は平和利用も出来るんだ!こう思うことで子供たちは自らを慰めていたのではないか?
さて前置きが長くなってしまったが、ことの発端はmoonlightのこの一文である。

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日本で徴兵制はありえない
もう語り尽くされた感もありますが(^-^;)
我が国の護憲派の拠って立つ論拠の一つに「9条がなくなったらあなたたちの子供が戦場に送られてしまうんです、子供たちを戦争にいかせたいですか?」というものがある。
どうやら徴兵制が復活すると言いたいらしいが、それはありえない。
なぜなら日本には徴兵制は必要ないし、世界で今だに徴兵制を維持している国も志願兵制に転換を始めているからだ。

徴兵制がありえない理由をあげると
@装備のハイテク化により訓練された職業軍人でないと扱いに支障がでるから。A若い労働力が失われることによる経済的な損失。
Bそもそも日本は海に囲まれており、まず敵に対処する海空の自衛隊では一人前の兵士になるには長い時間を要し、二年あまりで辞めてしまう徴兵の兵士はあまり意味がない。
C確かに自衛隊の人員は不足気味(特に陸自)だが、現状は自衛官の採用倍率はかなりの高さなので人員不足は予算の問題であり、徴兵になど頼らなくても予算さえあればどうにでもなる。
@についてだけ具体的な説明をすると、兵器のハイテク化は確かに今までより劇的に能力をあげたし兵士の能力に頼っていた部分を機械に肩代わりさせることが可能になった。
しかし、前線ではその兵器を自分で整備しなければならないし、戦術というものだってある。
今の兵士は命令がきけて銃が撃てればそれで良いものではないということ。
護憲派は「海外に自衛隊が派遣されることが増えたら人手不足を補うために徴兵制が(ry」と言う場合がある。
この場合はドイツの例をあげると良いかもしれない。ドイツは長い間冷戦の最前線だったために徴兵制だった、しかし冷戦は終わりEUが東に拡大するにつれ仮にロシアが何かを企んでもどうやら最前線になりそうにない。
そこでドイツは徴兵制をやめようとしている、それと同時にドイツは積極的に海外派兵をすると内外に示し、そのために連邦軍を再編している(レバノンにも派遣するという案も出ている)わけで、つまり海外派兵をしても徴兵制になど頼らなくてもやっていけると。
いわゆる護憲派は徴兵制というありえない危険を煽りたてて自分の主張を通そうとしている。
9条という安全保障に密接に関わる問題を語りたいなら常識的な軍事知識程度は身につけてほしいものだと切に思う。
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さてmoonlightのヨタ文の中の、@とAは完全にウィキペディアからの受け売り、BとCはmoonlightの単なる「思い付き」である。次に受け売りの「元ネタ」を示すのでご覧頂きたい。なおウィキペディアのイカサマ性と、それがネトウヨの「ネタ帳」となっている実態については以下で既に述べた。
http://takashichan.seesaa.net/article/105494400.html
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<ウィキペディアより>
現在、軍事技術の高度化・専門化により、これらの技術を扱う軍人の専門職化が各国で進んでいる。徴兵制度で確保した兵力は兵役期間の数年のみ軍役に就くため、高度な技術を身につける事など出来ず、現代戦では役に立たないとの見方が一般的である。また兵士数で戦況が決まるものでもなくなってきたため、徴兵制度は一部の国を除き廃止する動きが強くなってきている。(中略)
徴兵制度を採用している一部の国では訓練とともに莫大な費用がかかり、国家予算として無駄ではないかという批判も出ている。また、若い時期に2、3年兵役を課すことによって、その間の学力や技術の向上が妨げられ、若年労働力が奪われ産業に悪影響を及ぼし、国力として損失が出ているとの指摘もある。
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つまりネトウヨの心理は最初に挙げた「原爆の子」と全く同じなのである。「原爆の子」らが原子力の平和利用に「救い」を求めたように、ネトウヨたちは自分たちが求める未来の軍国主義日本に、まことに虫のいい「救い」を求めているのである。前の戦争のときよりもっともっと巨大な軍隊を持ち、アジア征服のために中国・韓国と戦争出来るような強い国になって欲しい。でも、戦うのは自衛隊さんだ。ボクたちが兵隊さんに取られることは絶対にない・・・そうに決まってる!だってこれからはハイテク兵器の時代なんだもん!これこそがネトウヨたちが徴兵制を「信じたくない」心理の正体なのである。
http://blog.livedoor.jp/moonlight_sunlight/archives/50687849.html#comments

 
posted by takashi at 07:29 | Comment(3) | TrackBack(0) | ネトウヨ、バカウヨの醜態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
実にすばらしい指摘ですね。

となると、ネトウヨの本音は戦場へ行くのが超怖くてそれから逃れるために他人(自衛隊)に押し付ける訳ですね。

本当に自分勝手且つ幼稚で、薄汚い思考を持った連中だ。
Posted by ふーくん at 2011年03月09日 20:19
>ふーくんさん

ネトウヨの言い分ではこんなのがありますよ。

【俺たちは「軍事」侵略じゃなくて「移民」侵略されるって言ってんの。
分かる?年々シナチョンの移民数は高い。
このままじゃ乗っ取られる可能性だって十分ある。

あとね、前から言おうと思ってたんだけど
「家でひきこもってるやつが国防語るな」だの「自衛隊に入ってから言え」だの言ってるやつ。
お前らに言いたい。お前らはアホか?と。
お前らの頭の中では国防と言えば「軍事」だけなの?戦国時代じゃないんだぞ?
そりゃ戦国時代なら兵隊になりゃ済む話だろうが、今は高度な情報化社会。情報戦も大切なんだよ。
自分たちのおかげで日本の情報戦は成り立ってるんだぞ?
本音言うと月50万ぐらい給料もらいたいほどの激務。 】

よく見かけるコピペですが、主張がバカですね。
Posted by あるふぁ at 2011年03月10日 17:09
あるふぁ氏へ

ほんと笑っちゃいますね。

ただの一般市民に情報戦任す程この国の防衛体制は甘甘って事になりますよ(笑)
Posted by ふーくん at 2011年03月10日 20:21
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